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2020年7月31日金曜日

『遠海事件』「第五章」#6 行き過ぎた匿名社会の現れ

【ネタバレ】詠坂雄二『遠海事件 佐藤誠はなぜ首を切断したのか?』(光文社文庫)「第五章」検証第6回



今回は「第五章」6回目、トライロック藤咲店の店員が県警に電話をかけているところから、阿比留が佐藤誠という人物が来店したかどうかの確認を取りたいと、店員に話しているところまでです。


以下ネタバレもありますので作品読了後にご確認ください。





【四六判のみ】…文庫では削除。削除部分が文庫のどこにくるかも記載しています。
【文庫のみ】…文庫書き下ろしです。
【文庫→四六判】…四六判ではこうだった(カッコ内は文庫のベージ数です)。
というように書いていき、必要なところは解説も加えます。重要な部分は太線にしています。

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「第五章」#6


【文庫→四六判】仕方なく答えると、カウンタの下からタウンページを取り出してめくり始める。(p143)→仕方なく彼が答えると、カウンタの下からタウンページを取り出して捲り始める。

【文庫→四六判】店員は目の前で県警に電話をかけ、出た人間といい勝負だろう無愛想な喋りで阿比留の身分と外見を確認し、しまいには相手と話してみてくれと言って受話器を寄越した。(p143-144)→背の低い店員は目の前で県警に電話を掛け、出た人間といい勝負だろう無愛想声で阿比留の身分と外見を確認し、しまいには相手と話してみてくれと受話器を寄越した。

【文庫→四六判】「覚えておく」(p144)→「覚えておこう」

【文庫→四六判】受話器を戻すとようやく店員は納得したようだった。(p144)→受話器が店員に戻り、二言三言交わしてから、ようやく背の低い店員は納得したようだった。

【文庫→四六判】「何が訊きたいんですか」(p144)→「それで、何が訊きたいんですか」

【文庫→四六判】「水曜の五時半から六時ごろ、佐藤誠という男が来店しているはずだ。確認してほしい」(p144)→「水曜の五時半から六時、佐藤誠という男が来店しているはずだ。その確認をしたい
※早速下手に出てるんでしょうか。

【文庫→四六判】「水曜ってことは二十八日ですね。(p144)→「水曜ってことは二十八日ですね。

【文庫→四六判】白黒で画像も粗いが、顔の判別はできる。(p144-145)→白黒な上に画像も粗いが、顔の判別は出来る

【文庫→四六判】店員はそれを眺めて、(p145)→店員はそれを眺め

【文庫→四六判】客の顔なんてしっかり見ませんから。(p145)→―大体、客の顔なんてしっかり見ませんから。

【文庫→四六判】スペースの三分の一がアダルトエリアになっている。(p145)→スペースの三分の一はアダルトになっているのだ

【文庫→四六判】店員はレジのディスプレイを眺め、(p145)→店員はレジのディスプレイを眼を細めて眺め


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