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2020年7月9日木曜日

『遠海事件』「第四章」#7 首切りまでの時間

【ネタバレ】詠坂雄二『遠海事件 佐藤誠はなぜ首を切断したのか?』(光文社文庫)「第四章」検証第7回



今回は「第四章」7回目、引き続き阿比留と吾妻の会話です。
有田智世が殺害された時間と、首の切られた時間に開きがあると話をしています。

以下ネタバレもありますので作品読了後にご確認ください。




【四六判のみ】…文庫では削除。削除部分が文庫のどこにくるかも記載しています。
【文庫のみ】…文庫書き下ろしです。
【文庫→四六判】…四六判ではこうだった(カッコ内は文庫のベージ数です)。
というように書いていき、必要なところは解説も加えます。重要な部分は太線にしています。

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「第四章」#7


【文庫→四六判】阿比留が無言で促すと、(p111)→無言で促すと、

【文庫→四六判】「殺害から首切りまでには間があった。まず一時間以上」(p111)→「殺害から首切りまでには間があった。―印象だが、まず一時間以上

【文庫→四六判】二つの屍体の死亡推定時刻の差は約三十分。(p111)→二つの屍体の死亡推定時刻差は三十分。

【文庫→四六判】もし有田智世が殺害から一時間後に首を切られたとすると、(p111)→もし有田智世が死亡後一時間経過してから首を切られたとすると、

【文庫→四六判】そのあとで有田智世の首を切ったことになってしまう。(p111)→その後で有田智世の首を切ったことになる。解せなかった

【文庫→四六判】何かが頭を過ぎる。阿比留は考え、すぐに思い当たった。(p112)→何かが頭を過ぎり、阿比留は口を閉ざした。考え、すぐに思い当たる

【文庫→四六判】有田家の隣人の証言だ。(p112)→アパートの太った隣人の証言だ。

【文庫→四六判】有田智世の死亡推定時刻と重なる五時から五時半まで、(p112)→有田智世の死亡推定時刻にかかる五時から五時半まで、

【文庫→四六判】そいつが帰ったあと、七時半ごろにも部屋を誰かが訪れたようだと。(p112)→そいつが帰った後、七時半頃、慌ただしい跫音が聞こえて再び誰かが訪れたようだと。

【四六判のみ】阿比留はそれを聞き、(文庫p112の5行目“その時、”の直前に入る)

【文庫→四六判】有田智世の首が通路へ出されたのだろうと阿比留は考えた。(p112)→有田智世の首が通路へ出されたのなら、どうして犯人はそんなことをしたのかと考えた。


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ご覧いただきありがとうございました。

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