【ネタバレ】詠坂雄二『遠海事件 佐藤誠はなぜ首を切断したのか?』(光文社文庫)「コラム③ 佐藤誠 その職歴と蜜月」検証第2回
今回は「コラム③ 佐藤誠 その職歴と蜜月」の後半部分になります。ブックセル時代の彼について。環境、思想など。
以下ネタバレもありますので作品読了後にご確認ください。
【四六判のみ】…文庫では削除。削除部分が文庫のどこにくるかも記載しています。
【文庫のみ】…文庫書き下ろしです。
【文庫→四六判】…四六判ではこうだった(カッコ内は文庫のベージ数です)。
というように書いていき、必要なところは解説も加えます。重要な部分は太線にしています。
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「コラム③ 佐藤誠 その職歴と蜜月」#2
【文庫→四六判】経歴の追跡が難しいという佐藤誠の特徴は、彼自身の立場に加えて、当局の眼に留まらないように留意した結果でもあったわけだが、(p100-101)→経歴の追跡が難しいという佐藤誠の特徴には、彼自身の特質に加えて、当局の眼に留まらないように留意し、努力してきた結果から来る必然もあった。
【文庫→四六判】この時の佐藤誠が最も人間らしかったのだろう。(p101)→その時の佐藤誠が最も人間らしかったのだろう。
【文庫→四六判】ひどい皮肉ではあるものの、その思想に矛盾はなかったとするしかない。(p101)→酷い皮肉ではあるものの、佐藤誠の思想に矛盾はなかったとするしかない。
【文庫→四六判】それだけで疑われやすい危険を孕んでいるのだ。(p101)→それだけで疑われやすいという危険を孕んでいる。
【文庫→四六判】ブックセル時代の年間殺人数は、彼の殺人者としての経歴を見渡した時、少ない部類に入る。(p101)→ブックセル時代の年間殺人数は、彼の殺人者としての経歴を見渡した時、極端に少ない。
※もしかしたら、殺人にまだ慣れていないだろう高校時代も殺人数だけで言えば極端に少ないとなるので変更されたのでしょうか。
【文庫→四六判】もしかして佐藤誠の中にはこの時、(p101)→佐藤誠の中にはこの時、
【文庫→四六判】事件を理解する上で重要になる要素であった。(p101)→事件を理解する上で重要になる要素だった。
【文庫→四六判】それはまた同時にひどく殺人者的な部分でもあったのだが―あえて暴論を吐くなら、(p102)→それはまた同時に、酷く殺人者的な部分でもあったのだが。敢えて暴論を吐かせて貰うなら、
【文庫→四六判】そう筆者には思えてならない。(p102)→そう、筆者には思えてならない。
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ご覧いただきありがとうございました。
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