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2020年7月26日日曜日

『遠海事件』「第五章」#1 迷宮

【ネタバレ】詠坂雄二『遠海事件 佐藤誠はなぜ首を切断したのか?』(光文社文庫)「第五章」検証第1回



詠坂氏は初出時から書籍化、文庫化される際に手を加えています。

『遠海事件』は、詠坂雄二の代表作というか、主要キャラの佐藤誠が主人公で、他作品へのクロスオーバーが多く、他の作品を読む前に是非呼んでいただきたい一冊になります。


今回から「第五章」になります。初回は、臨時の店長会の帰路、佐藤と新村が社長のこと、会社のことを話し、電車に乗り込んだところまでになります。

以下ネタバレもありますので作品読了後にご確認ください。




【四六判のみ】…文庫では削除。削除部分が文庫のどこにくるかも記載しています。
【文庫のみ】…文庫書き下ろしです。
【文庫→四六判】…四六判ではこうだった(カッコ内は文庫のベージ数です)。
というように書いていき、必要なところは解説も加えます。重要な部分は太線にしています。

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「第五章」#1


【文庫→四六判】臨時の店長会は暗い雰囲気のうちに始まった。(p134)→臨時の店長会は暗い雰囲気の内に始まり、さして変わることなく終わった

【文庫→四六判】無理もなかった。(p134)→無理もない

【文庫→四六判】日を改めてという意見が出なかったのは、(p134)→日を改めてという意見がどこからも出なかったのは

【文庫→四六判】駅のホームで佐藤誠はそう呟いた。(p134)→電車待ちのホームで、佐藤誠はそう呟いた。

【文庫→四六判】ビルの外壁にでかでかと掲げられた尿器科の看板に向けられていたが、(p134)→ビルの外壁にでかでかと吊られた泌尿器科の看板へ向けられていたが、

【文庫→四六判】「あれは自棄だよ。(p134)→「あれはヤケだよ。

【文庫→四六判】ただ電車到着のアナウンスに重ねて、それでもと言った。(p135)→ただ電車到着のアナウンスへ重ね、それでもと言った。

【文庫→四六判】「何だろうがまとまったのは確かだろ。(p135)→「ヤケだろうがまとまったのは確かだろ。

【文庫→四六判】「だね。これで会社が潰れたら、専務が死んだ甲斐がない」(p135)→「……だね。これで会社も駄目になったら、専務が死んだ甲斐がない」

【文庫→四六判】そこで疲れを堪えきれないというふうに佐藤は呟いた。(p135)→そこで疲れを堪えきれないという風に、どうしてと佐藤は呟いた。

【文庫→四六判】新村は残りの言葉を聞き逃した。(p135)→新村は後の言葉を聞き逃した。

【文庫→四六判】佐藤は電車へ乗りながら首を振る。意味なんてないかと。(p135)→佐藤は電車へ乗り首を振る。意味なんてないか、と


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ご覧いただきありがとうございました。

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