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2020年7月4日土曜日

『遠海事件』「第四章」#2 指紋

【ネタバレ】詠坂雄二『遠海事件 佐藤誠はなぜ首を切断したのか?』(光文社文庫)「第四章」検証第2回



「第四章」2回目、今回も阿比留と吾妻との会話部分で、吾妻は阿比留に、蛎塚諒一がひとり暮らしとほぼ断定したこと、二つの部屋に残っていた指紋から、吾妻は佐藤誠が怪しいと阿比留に話している場面です。

以下ネタバレもありますので作品読了後にご確認ください。



【四六判のみ】…文庫では削除。削除部分が文庫のどこにくるかも記載しています。
【文庫のみ】…文庫書き下ろしです。
【文庫→四六判】…四六判ではこうだった(カッコ内は文庫のベージ数です)。
というように書いていき、必要なところは解説も加えます。重要な部分は太線にしています。

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「第四章」#2


【文庫→四六判】やってきたブレンドに口を付けた。(p106)→やってきたブレンドに口を付け、ふうと息を吐いた

【文庫→四六判】「本業から喋るとな、二人の被害者のうち蛎塚諒一がひとり暮らしだったというのは、現場に残ってた指紋、髪の毛、その他諸々から察して間違いない。(p106)→「本業から喋るなら、二人の被害者のマンション住まいの方が一人暮らしだったというのは、現場に残ってた指紋、髪の毛、他諸々から察して間違いない。

【文庫→四六判】被害者以外の指紋は微量だった。発見者のものも検出できたが、ごくわずかだ」(p106)→他にあった指紋で持ち主が確認出来たのは発見者のものだが、それもごく僅かに過ぎない

【文庫→四六判】「そっちはごちゃごちゃしてたけどな、被害者と母親のものが大半で、元夫である蛎塚諒一の指紋も少なかったがあった。(p106)→「そっちうごちゃごちゃしてたけどな、大雑把には三人だ。被害者とその母親が大半で、元夫である蛎塚諒一の痕跡もごく僅かにだがあった

【文庫→四六判】離婚後も月に一度の割で会ってたという有田亜衣子の証言を否定するようなものはない」(p106)→離婚後も月に一度くらいの割で会ってたという有田亜衣子の証言を否定するものはない」
※修正前は月に二度会うこともあったのでしょうか。

【文庫→四六判】正気を取り戻した有田亜衣子の口から判ったことだ。(p106)→正気を取り戻した有田亜衣子の口から知れたことだった

【文庫→四六判】吾妻はやってきたサンドイッチを取り上げながら続けた。(p106)→吾妻はサンドイッチを取り上げ、食べながら続けた。

【文庫→四六判】「二つの現場から共通して検出できた指紋は蛎塚諒一のもののみだ。(p106)→「二つの現場から共通して検出された指紋は、蛎塚諒一のもののみだ。

【文庫→四六判】蛎塚諒一のマンションから有田亜衣子と有田智世の指紋は見つかっていない。(p106)→蛎塚のマンションから有田亜衣子と有田智世の指紋は見付かっていない。

【文庫→四六判】ほかに共通する不明指紋もない。(p106)→また他に共通する不明指紋もない。

【文庫→四六判】マンションに残る指紋の主を疑うのがセオリーだ。つまり、(p107)→マンションにだけ残る指紋の主を疑うのがセオリーだ。つまりまあ


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