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2020年7月1日水曜日

『遠海事件』「コラム③ 佐藤誠 その職歴と蜜月」#1 執着

【ネタバレ】詠坂雄二『遠海事件 佐藤誠はなぜ首を切断したのか?』(光文社文庫)「コラム③ 佐藤誠 その職歴と蜜月」検証第1回


詠坂氏は初出時から書籍化、文庫化される際に手を加えています。

『遠海事件』は、詠坂雄二の代表作というか、主要キャラの佐藤誠が主人公で、他作品へのクロスオーバーが多く、他の作品を読む前に是非呼んでいただきたい一冊になります。

今回は「コラム③ 佐藤誠 その職歴と蜜月」の前半部分を見ていきます。『リロ・グラ・シスタ』に出てきた過去の事件及び、佐藤誠の高校時代のことや同時期の阿比留刑事のことにも触れています。

以下ネタバレもありますので作品読了後にご確認ください。



【四六判のみ】…文庫では削除。削除部分が文庫のどこにくるかも記載しています。
【文庫のみ】…文庫書き下ろしです。
【文庫→四六判】…四六判ではこうだった(カッコ内は文庫のベージ数です)。
というように書いていき、必要なところは解説も加えます。重要そうな部分は太線にしています。

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「コラム③ 佐藤誠 その職歴と蜜月」#1


【文庫→四六判】佐藤誠の職歴において、書店員だった三年間が特別長期にわたっているこうはすでに述べた。(p100)→佐藤誠の職歴において、ブックセルへ勤めていた三年間が特別長期にわたっていることは既に述べた。

【文庫→四六判】彼にとってブックセルが居心地のいい職場であったことを示している。(p100)→彼にとりブックセルが居心地のいい職場であったことを示している。

【文庫→四六判】会社が潰れたのち、次の仕事に書店業を選ばなかったのだという言葉ものちの供述には見ることができる。(p100)→会社が潰れた、次の仕事に書店業を選ばなかったのだという言葉すら後の供述には見ることが出来る

【文庫→四六判】これは彼という人格にとり珍しいことと言える。(p100)→これは彼という人格にとり非常に珍しいことと言える。

【文庫→四六判】高校時代に彼が手がけた最初の殺人を含むいくつかの事件にあったとされている。(p100)→高校時代に起きた、彼が手掛けた殺人を含むいくつかの事件にあったとされている。
※高校時代に最初の殺人を手掛けたことは、四六判でわかりませんでした。

※佐藤誠の高校時代は、1995年(平成7年)4月から1998年(平成10年)3月までになります。
この間にあった事件と言えば、有山佐江子が「吏塚高校」の屋上で首を吊った状態で死亡していた事件です。
「吏塚高校」は、佐藤誠の通っていた「県立遠海西高校」とも近いので、佐藤誠が関わっていた可能性もありますね。もしそうだとすると、捜査の単相は阿比留だったので、お互い(特に阿比留のほうが)覚えていないだけで会ったことがあるのかもしれませんね。
阿比留は佐藤誠という名前がありふれすぎていたのと、およそ10年程前のことなので、目の前の佐藤誠と過去の彼が一致しなかった、いうようなことかもしれません。

【文庫→四六判】そのような彼の思想が、(p100)→そういった彼の思想が、

【文庫→四六判】揺らぎ始めていたのは確かだろう。(p100)→揺らぎ始めていたのは確かだ


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ご覧いただきありがとうございました。

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