【ネタバレ】詠坂雄二『遠海事件 佐藤誠はなぜ首を切断したのか?』(光文社文庫)「第五章」検証第4回
今回は「第五章」4回目、引き続き佐藤と新村の会話です。
水谷のことがあり佐藤が昔刑事になりたかったと思い出したこと、新村が佐藤とどこが違うのかが判ったことと心から友と呼べるようになった部分になります。
以下ネタバレもありますので作品読了後にご確認ください。
【四六判のみ】…文庫では削除。削除部分が文庫のどこにくるかも記載しています。
【文庫のみ】…文庫書き下ろしです。
【文庫→四六判】…四六判ではこうだった(カッコ内は文庫のベージ数です)。
というように書いていき、必要なところは解説も加えます。重要な部分は太線にしています。
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「第五章」#4
【文庫→四六判】佐藤の言葉を聞きながら、新村は自分の気付きへと尋ねていた。(p140)→聞きながら、新村は自分の気付きへ尋ねていた。
【文庫→四六判】合わせるしかない。学生生活終わりの年、そうした言葉に頷いていた自分が記憶の中で笑い出す。(p140)→こちらから合わせるしかない。学生生活終わりの数年、そうした言葉へ頷いていた自分が記憶の中で笑い出す。
※数年と言うからには一年や二年ではないと思うので、大学二回生の途中くらいから?なのでしょうか。一回生のときなら、終わりの数年とは表記しないでしょうし。大学入学までに一浪していることも何か関係あるのでしょうか。
【文庫→四六判】どうしてこんな話になったんだっけと呟いた。(p140)→どうしてこんな話になったんだろと呟いた。
【文庫→四六判】ああそうか、育のせいだ。「いくる?」(p140)→ああそうか、育のせいだ。いくる?
【文庫→四六判】「夜、店に来る中学生がいるだろ。(p140)→「店に来る中学生がいるだろ。
※水谷育は夜にしか来なかったんですね。これは学校終わりのみでしょうか。読み直してみようと思います。
【文庫→四六判】専務のこともあって、最近、社員になってみろって誘われた時のことをよく思い出すんだよ」(p141)→―専務のこともあって、最近、社員になれって誘われた時のことをよく思い出すんだよ」
※社員に“なれ”、と誘われていたら断っていたと佐藤が語っていたので、そのために修正されたのでしょうか。
【文庫→四六判】その表情が真剣で、(p141)→その表情が随分真剣で、
【文庫→四六判】なんかおかしいなと呟き、(p141)→ふと何かおかしいなと呟き、
【文庫→四六判】違うのは当たり前。(p141)→人間が違うのは当たり前。
【文庫→四六判】佐藤、と新村は友人を呼んだ。(p141)→佐藤、と彼は友人を呼んだ。
【文庫→四六判】佐藤は張りのある声で頷いた。(p141)→佐藤は張りのある声で頷く。
【文庫→四六判】今年中に潰れてしまうだろうと社員の大部分が予感していたブックセルは、(p142)→今年中に潰れてしまうだろう社員の誰もが予感していたブックセルは、
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ご覧いただきありがとうございました。
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