詠坂雄二『リロ・グラ・シスタ』作品の検証、第2回目です。
今回は前回の『リロ・グラ・シスタ』解説で※を付けた部分を見ていきます。
【おまけ】項目に書いたものに興味を惹かれます…。「もしかしたら」という内容ですが。
・この作品は10回ほど読んでいますが、以下すべてわたくしブログの書き手の推測です。何か不備や、こうなのでは?などのご意見があればコメントをお願いします。
今回も物語の核心に触れる内容を書いていますので、作品読了後にご確認ください。
【※1】私(吏塚の名探偵、以下同)は葉群に脅迫されていたので殺害した
・冒頭の
先月から引っ張っていた案件というのが、先月(11月)に葉群から脅迫されていたことです。脅迫内容は下記【※2】を御覧ください。
そして、更衣室の物音を確認しなければ、時野将自も観鞍茜も死ななかったかもしれない、ということになります。
【※2】私と楽山は付き合っている。
・恐らく付き合っているか、それに近い関係だと思います。文庫p264の4-5行目に
ひょっとしてあの時に写真を―とあり、楽山との何らかの情事を葉群に盗撮され、それを11月に葉群から脅迫されていたので私は葉群を殺害した、と推測ました。最終章で「私は不感症だ」とも言っていますし、私も写真を撮られたことは否定していないので恐らくそうであろうと思われます。
【※3】観鞍茜が好きなのは私
・最後まで読んでいけば判りますが。それまでに、空咲と私の話の中で兄の茜のことが出、
「ひょっとしたら、絶対に届かない人を好きだったのかもしんない」
「作り話に出てくる人とか、(略)と、私にしていました。詠坂雄二の他の作品では「名探偵は作り話にしか出てこない」としばしば書かれていますので、作り話に出てくる=名探偵=吏塚の名探偵 という図式です。
【おまけ】
最後にあるひとつの仮説、空想に近いものです。
●有山佐江子の誕生日と……
1996年12月16日の死亡時点で高校二年生の16歳。
1995年に高校入学なので、1979年度の人と同じ年に高校に入学。
死亡時点で誕生日を迎えていたら17歳になっているが16歳で死亡したので、彼女の誕生日は、12月17日から翌1980年4月1日までの間になります。
●そして有山は佐藤誠と同学年。佐藤誠が初めて殺人を犯したのは高校生の時(『亡霊ふたり』より)、佐藤の高校は遠海西高校だが高橋のランニングコースに吏塚高校前も含まれているので(同)、もしかしたら…
今のところ手がかりはないので、単なる思いつきの範囲になります。
コメントなどあれば宜しくおねがいします。
ご覧いただきありがとうございました。
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