詠坂雄二『ナウ・ローディング』の短編「悟りの書をめくっても」第4回目の検証です。
今回は万年青とノワの会話と、万年青がインタビューを受けるまでになります。
雑誌のみで判ることは、万年青の就寝時間と、ノワがいつインタビューを受けたのかが書かれています。
柵馬のRTAの記事も、おそらくノワが最初だろうということが文庫と雑誌から読み取れます。
ネタバレもありますので、作品読了後にご確認ください。
全体の時系列はこちらの時系列表からどうぞ。
・【雑誌のみ】…文庫では削除。文庫のどこに書かれていたかも記載しています。
・【文庫のみ】…文庫書き下ろしです。
・【文庫→雑誌】…雑誌ではこうだった。
というように書いていき、必要なところは解説も加えます。
「悟りの書をめくっても」#4
【文庫のみ】・こういう人間関係もわたしは実生活で得られていない。絶句するわたしを気にする様子もなくノワさんは続けた。(p102)
【文庫→雑誌】・できれば何人かに取材したいらしい。心当たりがあれば紹介してくれと言われた」(p103)→できれば何人か取り上げて、数ヶ月にわたって記事にしたいらしい。心当たりがあれば紹介してくれと言われた。要は、いいとものテレフォンショッキングだな」
【文庫→雑誌】・「アカイライが紹介できなければ、その薫陶を受けた最後の弟子を選ぶさ」「あの人の代わりなんて無理です」~(略)~「といってそこらの走者と同じわけでもない。RTAも、今は他人との繋がりが欲しくてやってるやつが多い、お前は違うだろ」(p104の5行目からp105の2行目まで)
→「でもだからって、代わりにわたしというのは」「アカイライが紹介できなくなって、俺がまっさきに思い浮かべたのは万年青だった。……本音だぞ。RTAに対するスタンス、配信に対するスタンスが、アカイライといちばん近い。視聴者との距離の取り方が似ていると言うべきか。RTAも今となっては人との繋がりを求めて始める連中が多い。けれどお前は違うだろう」
【文庫→雑誌】・だから、基本的には昼間に配信を行う。夜は、どれだけ遅くなっても十一時までにはやめるというルールを定め、(p105)→だから夜の十一時過ぎには配信をやめ、十二時には就寝するというルールを定め、
【文庫→雑誌】・それでもRTAを熱心に続けていれば、ほかの走者と繋がりができる。(p105)→それでもメールアドレスを公開していれば他の配信者との繋がりはできる。
【文庫→雑誌】・沈黙を挟み、決断を促すようにノワさんは続けた。「俺がインタビューを受けたのは、アカイライの不正があったあとのことだよ。(P105) →「確かに影響は受けています。けれど走りに真剣ということなら、わたしなんかよりノワさんのほうがずっと似ていると思います」「そうかもな。だから俺も取材を受けたんだ」「だから?」「俺がインタビューを受けたのは二週間前だ。アカイライの不正があった後のことだよ。
【文庫→雑誌】・二ページにわたり文章が詰まっていて、一点のイラストもない。そのためのスペースさえ惜しんだという感じだ。(p107)→二ページにわたり文章がぎっしり詰まっていて、一枚の写真もなかった。ノワさんが嫌がったというより、そのためのスペースさえ惜しんだ感じだった。
【文庫→雑誌】・どうされましたかと問う佐浦に、(p108)→どうされましたかと微笑む佐浦に、
#5へ続きます。
次回もお付き合いいただければ幸いです。
ご覧いただきありがとうございました。
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