詠坂雄二『インサート・コイン(ズ)』内の短編「残響ばよえ~ん」検証第2回目です。
流川と柵馬との会話あたりからの場面になります。・【雑誌のみ】…文庫版では削除。文庫版のどこに書かれていたかも記載しています。
・【文庫のみ】…文庫版書き下ろしです。
・【文庫→雑誌】…文庫の文が雑誌ではこうだった。
というように書いていき、必要なところは解説も加えます。細かい部分は割愛しています。
ネタバレもありますので、作品読了後にご確認ください。
「残響ばよえ~ん」#2
【文庫→雑誌】・メインでぷよぷよの特集を組むと聞いた瞬間、(p84)→ゲームにまつわる恋愛というお題で、しかもメインでぷよぷよの特集を組むと聞き、
【文庫→雑誌】・長年にわたりライターとして活躍しているだけのことはある。(p85)→二十年にわたりフリーライターとして活躍できるだけはある。
【文庫→雑誌】・「正解。実話誌の仕事ですよ。(p86)→「正解。実話系の雑誌から依頼が来てしまってねぇ」 ※依頼が来たってことがわかりますね。そうでなくても流川のキャリアだと、依頼が来たということを書かなくても依頼が来た仕事とわかるだろう、となり削除されたのでしょうか。
【文庫→雑誌】・「識字率の高い国で生まれ育っていると(p89)→「日本で生まれ育っていると
【雑誌のみ】・本音だった。きっと、俺が本当に判っていないことが判ったんだろう。流川さんは優しい顔で言う。(文庫p93の15と16行目の間に入る)
【文庫→四六判と雑誌】・「……一体なんなんですか。ミズシロの秘密って」流川さんは少し間を置いてから言った。「色覚が普通の人と違っていたんですよ」しきかく?「しきかくってー」「色を判別する能力のことです。ハンバーグを焦がしてしまったのは、(p97-98)→「……一体、何なんですか。ミズシロの秘密って」「色盲ですよ」しきもう?(以下、6行にわたり色弱、色覚異常、色覚特性など場面によって使い分けること、ここでは“色盲”を使うことという内容が書かれている)「ー待って下さい。ミズシロが色盲だったって言うんですか」「そうでしょう。ハンバーグを焦がしたのは、
【文庫→雑誌】・色以外にも判断材料がなくはないんですが、そう明瞭なものではありません」(p99)→色以外にも判断材料があるんですが、確か初代は、落下したぷよのアニメーションは停止していたはずです。落下して、孤立しているうちはいいんですが、同色のぷよと繋がりを作ってしまうと、表情の差も消えて、色しか判断の手がかりがなくなる。そこで異なる二つの色を同色だと勘違いしてしまえば、連鎖の起爆失敗を招いたりする」
【雑誌のみ】・色盲なんて大したことじゃない。ぎゃあぎゃあ騒ぐな。お姫様かっ!俺を見ろ!五体満足でこんな有様なんだぞふざけるなっ!ーそんな説得も、物語に取り憑かれていれば届かないだろう。(文庫p103の7行目“大したことじゃない。”と“そんな言葉も”の間に入る)
いかがでしたでしょうか。
流川のキャリア年数、“色盲”という言葉の言い換えでの修正が大きかったと感じました。
次回は「俺より強いヤツ」について書いていきます。
お付き合いいただければ幸いです。
ご覧いただきありがとうございました。
流川のキャリア年数、“色盲”という言葉の言い換えでの修正が大きかったと感じました。
次回は「俺より強いヤツ」について書いていきます。
お付き合いいただければ幸いです。
ご覧いただきありがとうございました。
0 件のコメント:
コメントを投稿