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【検証】『日入国常闇碑伝』常闇の正確な発生期間

詠坂雄二『日入国常闇碑伝』(講談社ノベルス) ー常闇の正確な発生期間ー 詠坂雄二『日入国常闇碑伝』の「常闇」の正確な発生期間が曖昧にしか書かれていないので、作品内から検討をつけました。 以後ネタバレがありますので作品読了後にご確認ください。 こちらのブログも...

2020年1月30日木曜日

【ネタバレあり】『リロ・グラ・シスタ』#1 解説

詠坂雄二『リロ・グラ・シスタ』を紐解きます。


・『リロ・グラ・シスタ』を読まれた方、「結局誰が何をしてどうなったの?」と思われた方もいらっしゃるかと思います。私も少しややこしくなるので、作品内の出来事をまとめてみました。

誰がどう死んだのか、人物、時系列を紐解いていきます。
人物に関しては、次回改めて詳しく書きます。


以下、作品の核心にふれる重要なネタバレがありますので、作品読了後にご確認下さい。






●まず作品のあらすじは、

吏塚高校の屋上で葉群という男子高校生の屍体が見つかる。その前日夕方に、吏塚の名探偵は生徒が帰宅して出払った更衣室で、観鞍に遭遇していた。観鞍は、名探偵に「葉群の死に関わっていないって証明して」と依頼する(文庫裏表紙より抜粋)。というものです。

・冒頭から、伏線を張っていますね。『インサート・コイン(ズ)』で詠坂は上手い伏線の回収を説明していますが、まさにそれですね。




●結局、誰が誰を殺害し、誰が自殺したのか(数字が死亡順)。

①私(吏塚の名探偵、以下同)が、葉群優基を殺害。
②観鞍杏が自殺する。
③観鞍茜が時野将自を殺害する。
④観鞍茜が自殺する。



【時系列】
●作品内の時系列です。更に詳しくはこちらの時系列表に記載しています。2006年12月付近です。

月曜
・私が葉群を殺害。※
・観鞍杏を更衣室でみかける(双子の妹の方で、兄の茜が更衣室に居たわけではない)。

火曜
・葉群の屍体発見。発見された時間、杏は自宅にいる。
・観鞍茜から、無罪証明を頼まれる。

水曜
・観鞍杏、自殺。

木曜
・観鞍杏の通夜。

金曜
・私と時野が時計塔へ行き葉群殺害のトリックを考える。

土曜
・時野が観鞍茜に刺され、その後死亡する。

日曜
・時野の通夜。

月曜
・観鞍茜、校舎屋上から飛び降りる。

火曜
・終業式

【人物】
登場人物について要点をまとめました。

●私(吏塚の名探偵)
 ・葉群を殺害した。※
 ・女。

●葉群
 ・複数の女子を脅迫していた。
 ・私に殺された。

●観鞍茜
 ・男。杏の双子の兄。
 ・好きなのは葉群ではなく、私。※
 ・時野を殺害する。
 ・私の罪を被って校舎屋上から飛び降りる。

●観鞍杏 
 ・女。茜の双子の妹。
 ・葉群の事が好きだった。
 ・葉群の屍体が発見された翌日に自殺した。
 ・月曜、更衣室にいて、服を着ているところを私に見られた。

●楽山
 ・おそらく、私と付き合っている。※


次回は※のものを詳しくみていきます。
ご覧いただきありがとうございました。



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