詠坂雄二『日入国常闇碑伝』(講談社ノベルス)
ー常闇の正確な発生期間ー
詠坂雄二『日入国常闇碑伝』の「常闇」の正確な発生期間が曖昧にしか書かれていないので、作品内から検討をつけました。
以後ネタバレがありますので作品読了後にご確認ください。
こちらのブログも併せてご覧いただくとより理解が深まると思います。
【仮説】遠海市の秘密
【仮説】常闇の秘密
作中で常闇の発生期間は
・闇払い令が布告(常闇発生五年後)より七十年以上存在した(p54「事為得」)
・常闇発生より八十年ほどで払われる(p88「事為得」)
・発生から消滅まで約八十年(p163「英雄蠅」)
と、常闇が居座った期間は曖昧にしか書かれていませんが、正確な期間が判る一つの糸口を見つけました。
それは『常闇作法心得』の巻数が全七十八巻(p168「英雄蠅」)であることです。
『常闇作法心得』とは、峰邑家が残した常闇に関する一級史料のことで、『神藤覇記』よりも正確な史料とされています。
一年間で一冊、常闇に関する出来事が収められているとすると全七十八巻で、七十八年分あるということになります。
上記下線部より、常闇発生期間は約七十五年以上八十年以下と考えられ、一年で一冊常闇に関する出来事が収められているとすると、常闇の発生期間も七十八年、七十五年以上八十年以下とも合致するので、常闇発生期間を七十八年間としました。
私の作成した『日入国常闇碑伝』の年表もこれに基づいています。
コメントなどあればよろしくお願いします。
ご覧いただきありがとうございました。
0 件のコメント:
コメントを投稿