【ネタバレ】詠坂雄二『日入国常闇碑伝』「雨鉄炮」検証第3回
詠坂氏は初出時から書籍化、文庫化される際に手を加えています。
『日入国常闇碑伝』も例に漏れず、雑誌掲載時から書籍化(新書)する際の加筆修正があるので検証を行っていこうと思います。
『日入国常闇碑伝』の「雨鉄炮」検証第3回目です。
今回の検証は序文の後半部分から終わりまでになります。
以下ネタバレありますので作品読了後にご確認ください。
・【雑誌のみ】…文庫では削除。文庫のどこに書かれていたかも記載しています。
・【文庫のみ】…文庫書き下ろしです。
・【文庫→雑誌】…雑誌ではこうだった。
というように書いていき、必要なところは解説も加えます。重要な部分は太線にしています。
「雨鉄炮」#3
【新書→雑誌】・そうした説が支持される背景には、(p130下)→そうした説が唱えられ、支持される背景には、
【新書のみ】・百葉時代、火器の運用は個人の手に負えるものではなかった。~(略)~価値を見出す武士階級は軍の骨であったものの、血肉ではなかった。(この間すべて)(p131上-下)
【新書→雑誌】・ここに、近代常備軍の原形がある。(p131下)→ここに近代常備軍の原型がある。
【新書→雑誌】・風雨の下で放てるというのも同様だ。(p131下)→風雨の下でも放てる鉄炮、これも同様だ。
【新書のみ】・颱風による暴風雨下では話にならないだろうが、そもそもそうした状況では戦が起こらない。(p132上)
【新書→雑誌】・そうでない者は撃てない。(p132上)→そうでない者は撃てる状態が保てない。
【新書→雑誌】・運用していたことを示すと見るべきだろう。(p132上)→運用していたことを示す表現―そう見るべきだろう。
【雑誌のみ】・戦だけではなく鍛錬に使用できるほど物資を調達できたこと、それを適える組織の存在、それをもって雨鉄炮の正体とするのが理性的な見識であると重ねて述べておきたい。(新書p132上12と13行目の間に入る)
【新書→雑誌】・何も語ってはくれない。(p132下)→現代を生きる我々に何も語ってはくれない。
【新書のみ】・これは考えがたい。(p132下)
【新書→雑誌】・理学的視座の成立以前のことで、(p132下)→近代理学的視座の成立以前のことであり
【新書→雑誌】・狙撃暗殺に供されるほどの長射程を誇っていたという発想は、(p133上)→狙撃暗殺に供されたという発想は、
コメントなどありましたらお気軽にお願いします。
#4へ続きます。
次回もお付き合いいただければ幸いです。
ご覧いただきありがとうございました。
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