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【検証】『日入国常闇碑伝』常闇の正確な発生期間

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2020年4月28日火曜日

『日入国常闇碑伝』「英雄蠅」#8

【ネタバレ】詠坂雄二『日入国常闇碑伝』(講談社ノベルス)「英雄蠅」検証第8回



詠坂氏は初出時から書籍化、文庫化される際に手を加えています。
『日入国常闇碑伝』も例に漏れず、雑誌掲載時から書籍化(新書)する際の加筆修正があるので検証を行っていこうと思います。

『日入国常闇碑伝』の「英雄蠅」検証第8回目です。
今回は闇光について、光介の闇光について語っている場面になります。

以下ネタバレありますので作品読了後にご確認ください。





・【雑誌のみ】…文庫では削除。文庫のどこに書かれていたかも記載しています。
・【文庫のみ】…文庫書き下ろしです。
・【文庫→雑誌】…雑誌ではこうだった。
というように書いていき、必要なところは解説も加えます。重要な部分は太線にしています。

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「英雄蠅」#8


【新書→雑誌】・そのすべてが陽炎をのぼらせていた。(p174下)→そのすべてが陽炎をのぼらせ、提灯なしでも見通しは良い。空でうねうね形を変えるもやは蟲の群だろうか。

【新書→雑誌】・自らの掌を見つめる光介に、闇佐は笑みを滲ませた声で言う。(p174下)→陽炎の立ちのぼる手を見つめる光介に、闇佐は笑みを滲ませ言う

【新書→雑誌】・「光介殿の闇光は輝きが違いますね」(p174下)→「剣術指南役ともなると闇光も輝きが違いますね」

【新書→雑誌】・「常闇で生き物より発せられる光のことです。(p174下)→「生者の身より発せられる光をそう呼ぶのです

【新書→雑誌】・生きている限り消えることはないということ。(p174下)→生きている限り耐えることはないということ。

【新書→雑誌】・闇佐を見れば、彼もまた躰から光を発している。(p174下)→闇佐を見れば、彼もまた躰から陽炎を―言うところの闇光を発している

【新書→雑誌】・「歩骸などは、死して闇光が失われるまでの人の姿だとも言われています。(p175上)→「歩骸はご存じでしょう。あれは死して闇光が失われるまでの人の姿だとされています

【新書→雑誌】・いや、(p175上)→いや、何処と問うには及ばない。

【新書→雑誌】・以前に来たのは元服の折である。(p175上)→以前にきたのはただ一度、元服の折である。あのとき―

【新書→雑誌】・やはりと呟く声を光介は思い出す。(p175上)→闇光を見て―やはりと誰かが頷く声を思い出す。

【新書→雑誌】・「烏帽子をいただいた時のことを考えていた」(p175下)→「烏帽子をいただいた時のことを思い出していた

【新書→雑誌】・あるいは旅人とすれ違ったりなどしたが、光介が自らより闇光を強く発する者に出会うことはなかった。(p175下)→あるいは自分たちと同じような旅人とすれ違ったりしたが、光介より闇光を強く発している者に出会うことはなかった。


コメントなどありましたらお気軽にお願いします。
#9へ続きます。

次回もお付き合いいただければ幸いです。
ご覧いただきありがとうございました。

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