【ネタバレあり】
詠坂雄二の作品によく出てくる「遠海市」についての仮説、
詠坂雄二の作品間で相互にリンクしている年代について、
詠坂雄二の今後の作品はどのようなものか、
以上の3点を考えました。
主に『日入国常闇碑伝』、『電氣人閒の虞』、『遠海事件』から仮説を立て、この三作品とそれ以外の作品からも重要なネタバレがあります。特に『電氣人閒の虞』に関しては、作品のオチにも言及しています。
全作品読了後にご確認ください。
また、詠坂雄二作品をすべて読まれた方がいらっしゃれば、この仮説についてご意見を聞きたいと思います。コメントお待ちしております。
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【「遠海市」について】
1.『日入国常闇碑伝』の作品の中に、「潮偶」という地名が出てくる。2.『遠海事件』でも潮偶の名が出、おそらく地名だと考えられる(理由は、水谷育が潮偶西中学校に通っているという記載のみだが、校名に潮偶と付くのなら中学校周囲に潮偶という地名がある、もしくは過去にあったのではないかと推測)。
3.水谷育は、電車か徒歩で「ブックセル東遠海店」へ二日に一度通っていた。中学生の水谷育が夜も比較的遅い時間にも通っていたので、遠海市と潮偶はそれほど遠くはないと考え、潮偶の位置は遠海市内のひとつの地域か、遠海市と隣接している地域の可能性が高いと考えた。
4.「潮偶」は常闇が発生した際、土地の一部が常闇に呑み込まれてしまう(『日入国常闇碑伝』より)。
5.「潮偶」を含む真州の約4割が常闇に呑み込まれたとある(『日入国常闇碑伝』より)。
6.「とこやみ(常闇)」の「と」を伸ばし、「こ」と「や」のアクセントを弱めて発音していくと、「とーみ」、つまり「とおみ(遠海)」と読めなくもない。
以上のことから「潮偶」の周辺も常闇に呑み込まれていることは確実で、
・現代の遠海市にあたる地域も常闇に呑み込まれたとした。
(そしてここからは「現代の遠海市にあたる地域が常闇に呑み込まれていた」として考えます)
【作品間の年代について】
妖魔の定義は『日入国常闇碑伝』p93上段に常闇と共にやってきたもの、あるいは、常闇が直接に生み出したと考えられるもの
とあり、
妖魔は常闇から現れる=常闇がなければ妖魔は発生しない
となる。
遠海市にあたる地域に常闇が発生したとして、仮にその常闇の最奥部(中心)が遠海市にあったとすると、遠海市限定の電氣人閒や、遠海市在住の韮澤秀斗が今後妖魔軍団と戦うことになることも辻褄が合ってくる。
→つまり
・『日入国常闇碑伝』の時代と『遠海事件』他からなる作品は、ひとつに繋がった時代という可能性が高いこと
・「常闇がふたたび現代に現れる」可能性がある
と考えられる。
【詠坂作品の今後について】
短編「ドクターミンチにあいましょう」で、韮澤秀斗は二十代前半くらいで、斃せない敵を斃して来て終焉を迎えたと書かれている。斃せない敵とは妖魔と推測とされる。
『君待秋ラは透きとおる』の時点で韮澤秀斗は二十歳である。
以上から、
韮澤秀斗が生きる現代、君待秋ラたちが韮澤秀斗を勧誘した2017年9月3日以降のどこかのタイミングで常闇が発生し、多数の妖魔が現れ、韮澤秀斗がドクターミンチに会いに行くまでの期間に数々の妖魔を斃し常闇を払うという内容のものが、今後の作品のひとつととなるように思われる。
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まとめると、
・常闇=遠海市
・『日入国常闇碑伝』と『遠海事件』等の時代は繋がっている(ただし『人ノ町』に関しては今後の検証に委ねる)。
・今後、常闇がふたたび発生し、韮澤秀斗たちが妖魔軍団と戦う作品が出る可能性がある。
ということです。
以上仮説と検証になります。
コメントなどあれば宜しくおねがいします。
ご覧いただきありがとうございました。
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