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2020年3月29日日曜日

【仮説】「炎吹刀」#14 唯一現存する炎吹刀について

詠坂雄二『日入国常闇碑伝』「炎吹刀」唯一現存する炎吹刀について考えてみました。



詠坂雄二作品を読んでこられた方の中には、『日入国常闇碑伝』の短編「炎吹刀」に佐藤炎吹という名前が出てき、鍛冶職人で刀を作っているというところに引っかかりを覚えた方もいらっしゃると思います。

(以下ネタバレがありますので作品読了後にご確認ください。)






佐藤姓と刀について関係性があるのか、私はずっと引っかかっていました。佐藤姓の炎吹が人殺しの刀を作っていますし、佐藤誠も人を大勢殺していましたし。

そして「炎吹刀」収録の「メフィスト」2012VOL.3を読むと、新書収録時に削除されていましたが、唯一現存する炎吹刀の俗名が『誠』という名前だとうことが判りました。

そこでひとつ考えが浮かびました。

【仮説】
・書籍未収録の短編「誠」(「小説宝石」2011年9月号収録)、その中で屍体の処置に手に馴染んだいつもの猟刀を使うとあり、その猟刀を唯一現存の炎吹刀「誠」にかけているのかなと。

・なぜ、炎吹刀『誠』の番号が『千二番』なのか、語呂合わせなど色々考えましたが、結局わかりませんでした。現在判っている佐藤誠に関連する10月の出来事も、2005年10月にブックセルの社員として再雇用されたことしかありません。それでも再雇用というくらいだから、10月1日付けでしょうし。

もしかしたら佐藤誠の誕生日なのかもしれませんね、10月02日。他作品でも佐藤誠の誕生日の記載はありません。もし誕生日だとしたら柵馬朋康よりも年下、詠坂雄二よりも歳上になりますね。

番号に関してはただの考えすぎか単に作者の気まぐれなだけかもしれませんが。



・最後に判明している炎吹刀の号を記します。

『千二番』:現存する唯一の炎吹刀。国立博物館収蔵。俗銘『誠』。
『千二百十二番』:守峰刀冶朗が持ち帰った炎吹刀。闇佐が佐藤炎吹に会いに行く際に持参。
『千八百番』:炎吹が闇佐に渡した小太刀の炎吹刀。


ご覧いただきありがとうございました。

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