【ネタバレ】詠坂雄二『日入国常闇碑伝』「事為得」検証
詠坂氏は初出時から書籍化、文庫化される際に手を加えています。
『日入国常闇碑伝』も例に漏れず、雑誌掲載時から書籍化(新書)する際の加筆修正があるので検証を行っていこうと思います。
『日入国常闇碑伝』の「事為得」を検証していきます。
この短編から、修正などが多くなります。
今回は、序文から妖魔を征伐しに出発したあたりまでの場面になります。
ネタバレありますので作品読了後にご確認ください。
・【雑誌のみ】…文庫では削除。文庫のどこに書かれていたかも記載しています。
・【新書のみ】…書き下ろしです。
・【新書→雑誌】…雑誌ではこうだった。
・カッコ内は、新書でのページ数とその上段か下段かになります。
・必要なところに解説を加え、重要な部分は太線にしています。
「事為得」#2
【新書→雑誌】・常闇に呑まれた地に住んでいた者たちについて史料は一切の記述を拒んでいるが、(p53下)→常闇に呑まれた地に元より住んでいた者たちがどうなったかについて史料は一切の記述を拒んでいるが、
【新書→雑誌】・それに伴う百葉大名勢力図の塗替え(天下統一直前にあった神藤家臣団の消失など)(p53下)→それに伴う大名勢力図の塗替え(天下統一直前にあった神藤家臣団の喪失など)
【新書→雑誌】・動きやすいようにとの配慮だろうが、(p54下)→動きやすいようにとの配慮と察せられるが、
【新書→雑誌】・北征近衞とは、神代に怪物を征伐した軍の名である。(p55上)→北征近衞とは、神代に妖魔を討伐した軍の名である。
【新書→雑誌】・武家が武力を行使する構図があるためその必要もない―長年にわたりそうした建前ができていたのだ。(p55下)→武家が武力を行使するため、その必要もない―長年にわたりそうした仕組みができあがっていたのだ。
【新書→雑誌】・直轄軍など、あったとしても頭数を揃えただけだろう。(P55下)→直轄軍など、あったとしても頭数を揃えただけに違いない。
【新書→雑誌】・その侍従長の傍らに、(p56上)→その傍らに、
【新書→雑誌】・常闇を名目とした援助かと思えば、そうでもない。(p57上)→常闇に名目を借りた金銭援助かと思えば、そうでもない。
【新書→雑誌】・総勢を数えれば、北征近衞が二百十名の陣容に対して、峰邑家斥候隊は十九名。(p58上)→北征近衞が総勢二一〇名の陣容に対し、斥候隊は一九名。
【新書→雑誌】・斥候の数が少ないのではと侍従長は良い顔をしなかったが、(p58上)→侍従長は少ないのではと良い顔をしなかったが、
コメントなどありましたらお気軽にお願いします。
#3へ続きます。
次回もお付き合いいただければ幸いです。
ご覧いただきありがとうございました。
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