【ネタバレ】詠坂雄二『日入国常闇碑伝』「炎吹刀」検証第10回
詠坂氏は初出時から書籍化、文庫化される際に手を加えています。
『日入国常闇碑伝』も例に漏れず、雑誌掲載時から書籍化(新書)する際の加筆修正があるので検証を行っていこうと思います。
『日入国常闇碑伝』の「炎吹刀」検証第10回目です。
今回は粘液の妖魔を倒した直後までの場面になります。
以下ネタバレありますので作品読了後にご確認ください。
・【雑誌のみ】…文庫では削除。文庫のどこに書かれていたかも記載しています。
・【文庫のみ】…文庫書き下ろしです。
・【文庫→雑誌】…雑誌ではこうだった。
というように書いていき、必要なところは解説も加えます。重要な部分は太線にしています。
「炎吹刀」#10
【新書→雑誌】・やがて視界に入って気付いた。(p112上-下)→―ふと気付いた。【新書→雑誌】・熱によってか、別の理か。(p112下)→熱によってではない。
【新書→雑誌】・闇佐は背に落ちてきた水滴を思い出す。(p112下)→闇佐は思い出す。背に落ちてきた水滴のことを。
【新書のみ】・今度はぎょっとはしなかった。ただ舌打ちは零れた。(p112下)
【新書→雑誌】・皮膚の下を走る血管が露わになり、一部は破れて出血している。(p112下)→皮膚の下を走る血管が剥き出しになり、一部は破れて血を流している。
【新書→雑誌】・粘液を浴びた部分も同様に違いない。(p112下-113上)→弾けた粘液を浴びた部分も溶け出しているに違いない。
【新書→雑誌】・しかし妖魔を倒すことが炎吹の作刀条件だった。(p113上)→しかし妖魔を倒して覚悟を示すことが炎吹の出した作刀条件だった。
【新書→雑誌】・対人剣術の型にはない、邪道の中にもありえない構えである。(p113下)→対人剣術の型にはない、構えとしては、邪道の中にもありえない格好である。
【新書のみ】・断末魔のような―(p114上)
【新書→雑誌】・闇佐はとっさに炎吹刀を手放した。距離を取ろうとする。だが間に合わない。地に転がった。(p114上)→闇佐は炎吹刀を手放してとっさに距離を取り、間に合わないと見るや地に転がった。
【新書→雑誌】・地の粘液たちは(p114下)→飛び散った粘液たちは、
【新書→雑誌】・敵意はやはり感じられない。(p114下)→その動きに敵意は感じられない。
【新書→雑誌】・骨はいずれも古びていた。最近に死んだ者ではない。(p114下)→骨は古びていた。つい最近死んだ者ではない。
【新書→雑誌】・いつ死んだかまでは判らないが、常闇発生以降であるなら、常闇が現れた直後に死んだ者たちの骨かもしれない。(p114下)→いつ死んだかまでは判らないが、常闇発生以降ではあるだろう。もしや、常闇が現れた直後に死んだ者たちのものかもしれない。
コメントなどありましたらお気軽にお願いします。
#11へ続きます。
次回もお付き合いいただければ幸いです。
ご覧いただきありがとうございました。
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