【ネタバレ】詠坂雄二『日入国常闇碑伝』「炎吹刀」検証第4回
詠坂氏は初出時から書籍化、文庫化される際に手を加えています。
『日入国常闇碑伝』も例に漏れず、雑誌掲載時から書籍化(新書)する際の加筆修正があるので検証を行っていこうと思います。
『日入国常闇碑伝』の「炎吹刀」検証第4回目です。
今回は闇佐が稽古中の守峰刀冶朗と話す場面から、闇佐が炎吹を探しに出発する前までになります。
以下ネタバレありますので作品読了後にご確認ください。
・【雑誌のみ】…文庫では削除。文庫のどこに書かれていたかも記載しています。
・【文庫のみ】…文庫書き下ろしです。
・【文庫→雑誌】…雑誌ではこうだった。
というように書いていき、必要なところは解説も加えます。重要な部分は太線にしています。
「炎吹刀」#4
【新書→雑誌】・厚くも深い胸板、そこから腹にかけて流れる汗は滝のようだ。(p97下)→分厚く毛深い胸板から腹にかけて流れる汗は滝のようだ。【新書→雑誌】・「その武芸者より譲り受けたのですか?」(p97下)→「武芸者―より譲り受けたのですか?」
【新書→雑誌】・すると武芸者は丁寧な礼を述べ、こう続けたという。(p97下)→すると武芸者は礼を述べ、続けたという。
【新書→雑誌】・人間や鳥獣、草木などさまざまなものが妖しい光を帯び、周囲を照らすのである。(p98上)→足を踏み入れた人間や鳥獣、草木など様々なものが放ち、周囲を照らすのだ。
【新書→雑誌】・うまく思い描くことができなかった。(p98下-99上)→うまく思い描けなかった。
【新書→雑誌】・常闇が生じてから歳月が経ち、日の入りではすでに、その異界は当然の景色となっていた。(p99上)→常闇が生じて時が経ち、日の入りではすでにその異界はあって当然の景色である。
【新書→雑誌】・常闇奉行配下の者たちは誰しもそう考えている。闇佐も例外ではない。(p99上)→常闇奉行配下の者たちは、誰しもそう感じている。
【新書→雑誌】・まさに豪傑の物言いだと闇佐は微笑みたくなってしまう。だがそうした衝動を押し殺して続けた。(p99下)→まさに豪傑の物言いだと闇佐は微笑んでしまう。その微笑みを押し殺して続けた。
※雑誌では微笑んでいますね。全体的に闇佐は控えめな感情に変更されているような気がします。
【新書→雑誌】・刀工たちが選んだ処世でもあったのである。(p100下)→刀工たちが選んだ生き残り方でもあったのである。
【新書→雑誌】・妖魔を断つ刀の存在そのものを他国に知られたくないというのが本音かとの指摘であった。(p100下)→妖魔を断つ刀を他国に知られたくないのが本音―そうした指摘であった。
【新書のみ】・頼んだぞ(p101上)
コメントなどありましたらお気軽にお願いします。
#5へ続きます。
次回もお付き合いいただければ幸いです。
ご覧いただきありがとうございました。
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