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【検証】『日入国常闇碑伝』常闇の正確な発生期間

詠坂雄二『日入国常闇碑伝』(講談社ノベルス) ー常闇の正確な発生期間ー 詠坂雄二『日入国常闇碑伝』の「常闇」の正確な発生期間が曖昧にしか書かれていないので、作品内から検討をつけました。 以後ネタバレがありますので作品読了後にご確認ください。 こちらのブログも...

2020年3月20日金曜日

『日入国常闇碑伝』「炎吹刀」#5

【ネタバレ】詠坂雄二『日入国常闇碑伝』「炎吹刀」検証第5回


詠坂氏は初出時から書籍化、文庫化される際に手を加えています。
『日入国常闇碑伝』も例に漏れず、雑誌掲載時から書籍化(新書)する際の加筆修正があるので検証を行っていこうと思います。

『日入国常闇碑伝』の「炎吹刀」検証第5回目です。
今回は闇佐が常闇へ出発したところから炎吹の居る洞穴に辿り着いた場面までになります。

以下ネタバレありますので作品読了後にご確認ください。





・【雑誌のみ】…文庫では削除。文庫のどこに書かれていたかも記載しています。
・【文庫のみ】…文庫書き下ろしです。
・【文庫→雑誌】…雑誌ではこうだった。
というように書いていき、必要なところは解説も加えます。重要な部分は太線にしています。


「炎吹刀」#5


【新書のみ】・常人ではまず、常闇で長く正気は保てない。(p101上)

【新書→雑誌】・血によるのか性情によるのか、たまさか適正があって常闇で正気を保つことができても、長く留まれば人の世に戻れぬとも言われていた。(p101上-下)→常闇では、一時正気を保てたとしても、長く留まれば人の世に戻れぬとも言われていた。

【新書→雑誌】・微妙な狂いが生じ、躰自体が変質してしまうと。(p101下)→微妙な狂いが徐々に生じ、あるいは躰自体が変質してしまうと。

【新書→雑誌】・十影の山は(p102上)→十影山は

【新書→雑誌】・十影の山を含む雪前の国は、峰邑家が領す三護のように一部分ではなく、そのすべてを常闇に呑まれてしまったのだ。(p102上)→十影山を含む雪前の国は、峰邑家が領す三護のように部分ではなく、そのすべてを常闇に呑まれ、ほとんど常闇の中心部に位置している

【新書のみ】・否、連中からすれば己も同類に見えたか。常闇入りを繰り返し、闇佐もそんなふうに考えて違和を感じないまでになっていた。(p102下)

【新書→雑誌】・山道の景色は変わらない。それでも道を違えている心配はなかった。(p102下)→闇佐は先を急いだ。道を違えている心配はなかった。

【新書→雑誌】・圧倒された。(p102下)→闇佐はやや圧倒された。

【新書→雑誌】・刀もなくては探りようもなかろうと、刀冶朗が半ば強引に持たせたのであった。(p103上)→刀もなくては向かった先で探りようもなかろうと刀冶朗が述べ、半ば強引に持たせたのであった。

【新書→雑誌】・しばらく行くと川が見つかった。(p103上)→すぐに川が見つかった。

【新書→雑誌】・闇佐は岩肌におおきな洞穴を見つけた。(p103下)→闇佐はそれを見つけた。岩肌に大きな洞穴が口を空けている。

【新書→雑誌】・近付いてみると、(p103下)→辿りつくと

コメントなどありましたらお気軽にお願いします。
#6へ続きます。

次回もお付き合いいただければ幸いです。
ご覧いただきありがとうございました。

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