【ネタバレ】詠坂雄二『日入国常闇碑伝』「事為得」検証第4回
詠坂氏は初出時から書籍化、文庫化される際に手を加えています。
『日入国常闇碑伝』も例に漏れず、雑誌掲載時から書籍化(新書)する際の加筆修正があるので検証を行っていこうと思います。
『日入国常闇碑伝』の「事為得」検証4回目です。
第3回の続きの守峰刀冶朗と闇佐の会話から、常闇内で大勢の敵に襲われている場面までです。
ネタバレありますので作品読了後にご確認ください。
・【雑誌のみ】…文庫では削除。文庫のどこに書かれていたかも記載しています。
・【新書のみ】…書き下ろしです。
・【新書→雑誌】…雑誌ではこうだった。
・カッコ内は、新書でのページ数とその上段か下段かになります。
・必要なところに解説を加え、重要な部分は太線にしています。
「事為得」#4
【新書→雑誌】・「神域の森です。常闇に呑まれる以前から未開というより、畏れられてきた地であると」(p61下)→「神域の森です。常闇に呑まれる以前から未開であったと」【新書→雑誌】・だが一方で懸念も拭えない。(p61下)→だが、現実としては懸念も拭えない。
【新書→雑誌】・似たような土地で似たようなものが見られることもあれば、(p61下-62上)→その土地で見られるものがほかでも見られる例は少なく、また似たような土地で似たようなものが見られることもあれば、
【新書→雑誌】・であればきっと何かは起こるだろう。(p62上)→何かは起こるだろう。
【新書→雑誌】・乱れ交わる影も一様ではない。(p62上)→乱れ交わる、影、影、影。
【新書→雑誌】・集団は襲撃を受けたのだった。(P62下)→不意の襲撃を受けたのだった。
【新書→雑誌】・大勢の敵が四方より群がり攻めてきたのである。(p62下)→常闇に呑まれながらも残った一筋の街道を進んでいたところ、多勢の敵が四方より群がり攻めてきたのである。
※雑誌版の方が、具体的な情景を思い浮かべることができそうな気もしますが…
【新書→雑誌】・得物を扱うこともない。(p62下)→武装したり得物を扱うこともない。
【新書→雑誌】・また一斉に攻撃をかけてきた。(p62下)→また、こちらに対し一斉に攻撃をかけてきたのだ。
【新書→雑誌】・獣は、人ほど浅ましく現世に執着しないということなのだろう。(p63上)→獣は人ほど浅ましく現世に執着しないのだろう。
【新書→雑誌】・その残骸を掴み、闇佐は息を呑んだ。(p63上)→「………!」その残骸を精査し、闇佐は息を呑んだ。
コメントなどありましたらお気軽にお願いします。
#5へ続きます。
次回もお付き合いいただければ幸いです。
ご覧いただきありがとうございました。
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