【ネタバレ】詠坂雄二『日入国常闇碑伝』「炎吹刀」検証第12回
詠坂氏は初出時から書籍化、文庫化される際に手を加えています。
『日入国常闇碑伝』も例に漏れず、雑誌掲載時から書籍化(新書)する際の加筆修正があるので検証を行っていこうと思います。
『日入国常闇碑伝』の「炎吹刀」検証第12回目です。
今回は闇佐が佐藤炎吹の首を刎ねるところから、エピローグで三護大学が炎吹刀を調査したという記述までになります。
以下ネタバレありますので作品読了後にご確認ください。
・【雑誌のみ】…文庫では削除。文庫のどこに書かれていたかも記載しています。
・【文庫のみ】…文庫書き下ろしです。
・【文庫→雑誌】…雑誌ではこうだった。
というように書いていき、必要なところは解説も加えます。重要な部分は太線にしています。
「炎吹刀」#12
【新書→雑誌】・炉に炎吹が刀を差し入れた直前の景色である。(p118下)→炉に炎吹が刀を差し入れた時のことである。
【新書→雑誌】・炎吹の首は刎ねとび、壁に当たって地に転げた。(p118下)→ただ一太刀、それで佐藤炎吹の首は刎ねとび、壁に当たって地に転げた。
【新書→雑誌】・愉しく感じぬかと声は問う。(p119上)→「愉しくは感じぬか。
【新書→雑誌】・それに突き動かされる者たちにとっては、(p119下)→それを追求する者たちにとっては、
【新書→雑誌】・それが作る刀が妖魔を断つことは事実。(p121上)→それが作る刀が妖魔を断つことは嘘ではない。
【新書→雑誌】・山神の気脈から外れておるからな。そうして残り続けてきたがゆえの聖地だ。(p121下)→山神の気脈から外れている。残り続けてきたがゆえの聖地だ。
【新書→雑誌】・ならば触れずにいようというわけである。(p122下)→ならば語らずにいようというわけである。
【新書→雑誌】・炎吹刀は評判のみではない本物の妖刀であったと解釈するのである。(p123下)→評判のみでなく、炎吹刀は本物の妖刀であったと解釈するのである。
【新書→雑誌】・しかし通常の刀と違い共鉄柄であるということもあり、柄を調べれば刀身の出来も判るとし、近年、三護大学の研究室がその材質を最新の機材で調査した。結果は奇妙なものであった。(p124上)→しかし柄を調べれば刀身の出来も予想できるとし、近年、三護大学の研究室がその材質を調査した。その結果は意外なものであった。
【新書→雑誌】・作刀技法を確立させた(p124上)→手法を確立させた
【新書→雑誌】・通常の刀とは明らかに違うその外見は、構造の違いに由来していたのだ。(p124下)→通常の刀とは明らかに違うその外見は、材質の違いに由来していたのだ。
コメントなどありましたらお気軽にお願いします。
#13へ続きます。
次回もお付き合いいただければ幸いです。
ご覧いただきありがとうございました。
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