【ネタバレ】詠坂雄二『日入国常闇碑伝』「炎吹刀」検証第8回
詠坂氏は初出時から書籍化、文庫化される際に手を加えています。
『日入国常闇碑伝』も例に漏れず、雑誌掲載時から書籍化(新書)する際の加筆修正があるので検証を行っていこうと思います。
『日入国常闇碑伝』の「炎吹刀」検証第8回目です。
今回は妖魔の居る洞穴へ入ったところから、蠢く粘液の正体を知るため湖に炎吹刀を差し込む場面までになります。
※「炎吹刀」の検証は少し長いシリーズになります。
以下ネタバレありますので作品読了後にご確認ください。
・【雑誌のみ】…文庫では削除。文庫のどこに書かれていたかも記載しています。
・【文庫のみ】…文庫書き下ろしです。
・【文庫→雑誌】…雑誌ではこうだった。
というように書いていき、必要なところは解説も加えます。重要な部分は太線にしています。
「炎吹刀」#8
【新書→雑誌】・このためでもあったのだろう。(p108下)→実際に水流が熱を放っていたからなのだ。
【新書→雑誌】・そう闇佐が了解した時だった。(p108下)→そう闇佐が頷いた時だった。
【新書→雑誌】・湿った指を擦り合わせると、ぬるぬる滑った。(p109上)→闇佐は触った指を擦り合わせる。ぬるぬる滑った。
【新書→雑誌】・しかしふるふる震えたかと思うと蠢き、(p109下)→しかしふるふる震えたかと思うと膨れ、
【雑誌のみ】・水に混じり所在が判らなくなる。(新書p109下の6行目“水路に落ちていった。”の後に続く)
【新書→雑誌】・単純ながら意志を感じさせる動きだ。(p109下)→蟲のごとく単純ながら意志を感じさせる動きだ。
【新書のみ】・土中の蟲のようでもある。(p109下)
【新書→雑誌】・大部分は水面に落ちてしぶきを上げるのみ。(p109下)→大部分は湖や水路に落ちて水しぶきを上げるのみ。
【新書→雑誌】・水が熱を発するのは温泉だからではなく妖魔の仕業だと炎吹は言った。(p110上)→熱い水。それは温泉ではなく妖魔の仕業だと炎吹は言った。
【新書→雑誌】・左手に持ち替えると、(p110上)→しかし左手に持つと、
【新書→雑誌】・水深はそう深くもない。(p110上)→水深は浅い。
【新書→雑誌】・炎吹刀を右手に持ち直してその刀身を眺めた。(p110下)→炎吹刀を持ち直して眺めた。
【新書→雑誌】・凹凸ある刀身の表面が流れ込む闇光でぼんやりと光り、(p110下)→刀身は流れ込む闇光でぼんやり光り、
コメントなどありましたらお気軽にお願いします。
#8へ続きます。
次回もお付き合いいただければ幸いです。
ご覧いただきありがとうございました。
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