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2020年3月24日火曜日

『日入国常闇碑伝』「炎吹刀」#9

【ネタバレ】詠坂雄二『日入国常闇碑伝』「炎吹刀」検証第9回


詠坂氏は初出時から書籍化、文庫化される際に手を加えています。

『日入国常闇碑伝』も例に漏れず、雑誌掲載時から書籍化(新書)する際の加筆修正があるので検証を行っていこうと思います。

『日入国常闇碑伝』の「炎吹刀」検証第9回目です。
今回は闇佐が妖魔と戦う前の炎吹刀に宿った闇佐を眺めるところから、妖魔が登場し闇佐が刀をひと払いしたところまでの場面になります。

以下ネタバレありますので作品読了後にご確認ください。





・【雑誌のみ】…文庫では削除。文庫のどこに書かれていたかも記載しています。
・【文庫のみ】…文庫書き下ろしです。
・【文庫→雑誌】…雑誌ではこうだった。
というように書いていき、必要なところは解説も加えます。重要な部分は太線にしています。

「炎吹刀」#9

【新書→雑誌】・正体はいまもって不明。(p110下)→正体は不明。

【新書→雑誌】・だがそうした理解では零れる例もある。(p110下)→だがそれだけでは零れるものがあるのではないか。

【新書→雑誌】・人の想いばかり特別視しているからだ。(p111上)→人ばかり特別視しているようだからだ

【新書→雑誌】・当世拵えの刀に闇光を帯びさせて妖魔を滅するということは、(p111上)→当世拵えの刀が闇光を帯びて妖魔を斬るということは、

【新書→雑誌】・帯びた闇光が共に水中に沈んでゆく―次の刹那、ぶわりと水面が膨らんだ。(p111下)→帯びた闇光が共に水中に沈む―と、見えた刹那。ぶわりと水面が持ち上がった

【新書→雑誌】・葛湯のような質感の表面がうねうね蠢いていた。(p111下)→巨石のような存在感の表面がうねうねと蠢いていた。

【新書のみ】・足はない。蛞蝓のように這っているのか。ともかくそれは湖より地上へ上がった。(p112上)

【新書→雑誌】・全身は湯気を立ちのぼらせている。(p112上)→地上にあがった全身は湯気を立ちのぼらせていた

【新書のみ】・妖しい。闇佐は数歩下がった。(p112上)

【新書→雑誌】・突然、水塊の表面がぷっくり膨れた。(p112上)→と、その表面がぷっくり膨れた。

【新書→雑誌】・噴き出したものはあっけなく弾けた。(p112上)→噴き出したものはあっけなく斬られて弾けた

【新書→雑誌】・しかしやはり何か、妖しい。(p112上)→しかし何か妖しい。


コメントなどありましたらお気軽にお願いします。
#10へ続きます。

次回もお付き合いいただければ幸いです。
ご覧いただきありがとうございました。

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