【ネタバレ】詠坂雄二『日入国常闇碑伝』「炎吹刀」検証第6回
詠坂氏は初出時から書籍化、文庫化される際に手を加えています。
『日入国常闇碑伝』も例に漏れず、雑誌掲載時から書籍化(新書)する際の加筆修正があるので検証を行っていこうと思います。
『日入国常闇碑伝』の「炎吹刀」検証第6回目です。
今回は闇佐が炎吹の居る洞穴へ入ったところから、闇佐と炎吹の会話の場面の冒頭までになります。
以下ネタバレありますので作品読了後にご確認ください。
・【雑誌のみ】…文庫では削除。文庫のどこに書かれていたかも記載しています。
・【文庫のみ】…文庫書き下ろしです。
・【文庫→雑誌】…雑誌ではこうだった。
というように書いていき、必要なところは解説も加えます。重要な部分は太線にしています。
「炎吹刀」#6
【新書→雑誌】・壁には松明を置くための台まであった。松明はなかったが、内壁が微かな闇光を放っている。さすがに奥まで見通せないものの、足下くらいは確認できるようだった。(p103下)→壁に松明を置くための台があったが、松明はない。明かりはなくとも内壁が微かな闇光を放ち、奥が見通せないまでも、足下くらいは確認できた。
【新書→雑誌】・しかし洞穴の奥に闇光が溜まる気配を感じ取った。(p104上)→しかしその奥に闇光が溜まっているのを感じた。
【新書→雑誌】・闇佐は洞穴に足を踏み入れた。(p104上)→闇佐はおそるおそる洞穴に足を踏み入れた。
【新書→雑誌】・材質は粘土を焼き固めたものらしい。(p104上)→材質は粘土を焼き固めたものだろうか。
【新書→雑誌】・槌などの道具が揃っている。(p104上)→鍛冶に用いる槌などの道具が揃っている。
【新書→雑誌】・しかし闇佐の知る鍛冶炉とは違っていた。刃の鍛造に用いるものにしてはやや大きく、(p104下)→しかし闇佐の知る鍛冶炉とは明らかに違っていた。刃の鍛造に用いるものとしては大きすぎ、
【新書→雑誌】・闇光の気配は、(p104下)→闇光が溜まっている気配は、
【新書→雑誌】・目つきから壮年と察せられる男は、(p104下)→顔つきは壮年。
【新書→雑誌】・ひとつひとつ吟味し始める。(p105下)→ひとつひとつを調べ始める。
【新書→雑誌】・表面を見るというより、(p105下)→表面を眺めるというより、
【新書→雑誌】・「―炎吹殿」「たしかに儂が佐藤炎吹である」炎吹は闇佐を見ぬまま続けた。(p105下)→「―炎吹殿」「たしかに儂が佐藤炎吹である」石をひとつ握り、炎吹は闇佐に向き直った。
※佐藤炎吹は厭世的と書かれていたのでこういう訂正になったのでしょうか。
【新書→雑誌】・「刀などというものは、誰が打とうと斬れればよし、(p105下)→「刀など誰が打とうと斬れればよし、
【新書→雑誌】・人の手が加えられた洞穴は(p106下)→洞穴は人の手が加えられ、
コメントなどありましたらお気軽にお願いします。
#7へ続きます。
次回もお付き合いいただければ幸いです。
ご覧いただきありがとうございました。
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