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2020年3月22日日曜日

『日入国常闇碑伝』「炎吹刀」#7

【ネタバレ】詠坂雄二『日入国常闇碑伝』「炎吹刀」検証第7回


詠坂氏は初出時から書籍化、文庫化される際に手を加えています。
『日入国常闇碑伝』も例に漏れず、雑誌掲載時から書籍化(新書)する際の加筆修正があるので検証を行っていこうと思います。

『日入国常闇碑伝』の「炎吹刀」検証第7回目です。
今回は闇佐が妖魔の住む洞穴へ向かい始めるところから、その洞穴に入ったところまでの場面になります。

以下ネタバレありますので作品読了後にご確認ください。





・【雑誌のみ】…文庫では削除。文庫のどこに書かれていたかも記載しています。
・【文庫のみ】…文庫書き下ろしです。
・【文庫→雑誌】…雑誌ではこうだった。
というように書いていき、必要なところは解説も加えます。重要な部分は太線にしています。


「炎吹刀」#7


【新書→雑誌】・炎吹からは何の説明もなかった。(p106下)→炎吹は説明しなかった。

【新書→雑誌】・温泉でないなら山に降った雨が岩清水となってしみ出し、(p106下)→温泉でないならば、十影の山に降った雨が岩清水となってしみ出し、

【雑誌のみ】・僅かに傾斜のついた洞穴を闇佐は進んでゆく。(新書p106下16行目“水が流れているせいか”の前に入る)

【新書→雑誌】・闇佐はじっとり躰が汗ばむのを感じた。(p106下)→じっとり躰が汗ばんでくる

【新書→雑誌】・無数に現れる横穴や縦穴は、(p107上)→無数の横穴や縦穴は、

【新書→雑誌】・土地の記憶より生まれた。そのような曖昧な説明にどうしてもなる。(p107下)→歴史という物語から生まれた。そのような曖昧な説明にどうしてもなってしまう

【新書→雑誌】・鉱人であり鍛冶であった村人の残念か。(p107下)→鉱人であり刀工でもあった村人たちの残念か。

【雑誌のみ】・それとも常闇の深奥に位置するため、まったく違う理、たとえば常闇の濃などによって生まれたか。(新書p107下7と8行目の間に入る)

【新書→雑誌】・進むうち、(p107下)→更に進みゆくと、

【新書→雑誌】・「数だけ号していれば区別は付く。(p108上)→「番を号していれば区別は付く。

【新書→雑誌】・刃の帯びた闇光が濃さを増して闇を照らし出す。(p108上)→刃の帯びた闇光が濃さを増し、刀身が灯りとなって闇を照らし出す。

【新書→雑誌】・闇佐はその縁に近付いた。(p108上)→闇佐はその縁に近付いて眺めた

【新書→雑誌】・長く手を入れていられないほどの熱だ。(p108下)→温泉としても熱すぎる。

コメントなどありましたらお気軽にお願いします。
#8へ続きます。

次回もお付き合いいただければ幸いです。
ご覧いただきありがとうございました。

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