【ネタバレ】詠坂雄二『日入国常闇碑伝』「炎吹刀」検証第3回
詠坂氏は初出時から書籍化、文庫化される際に手を加えています。
『日入国常闇碑伝』も例に漏れず、雑誌掲載時から書籍化(新書)する際の加筆修正があるので検証を行っていこうと思います。
『日入国常闇碑伝』の「炎吹刀」検証第3回目です。
今回は冒頭の炎吹刀の説明から、闇佐と腹唐総衛門の会話までの場面になります。
以下ネタバレありますので作品読了後にご確認ください。
・【雑誌のみ】…文庫では削除。文庫のどこに書かれていたかも記載しています。
・【文庫のみ】…文庫書き下ろしです。
・【文庫→雑誌】…雑誌ではこうだった。
というように書いていき、必要なところは解説も加えます。重要な部分は太線にしています。
「炎吹刀」#2
【新書のみ】・刀、であろう。(p94下)
【新書→雑誌】・流れる川面が無風の灯火のように、(p94下)→穏やかに流れる川面が無風の灯火のように、
【新書→雑誌】・それも、果たして銘であるのかどうか。(p95上)→その文字も、果たして銘であるのかどうか。
【新書→雑誌】・闇佐はその日、斥候隊が持ち帰った情報を吟味している最中、上役に呼び出されたのだった。(p95上)→常闇奉行配下である闇佐はその日、斥候隊が持ち帰った情報を吟味している最中に呼び出されたのだった。そして見せられたのは異形の刀である。
【雑誌のみ】・つい昨日、彼が率いる斥候隊は常闇吟味より帰還したばかりだった。(新書p95下“常闇にでいりする豪傑である”のあとに続く)
※守峰刀冶朗が昨日に持ち帰った、という記載は雑誌のこの場面のみになります。
【新書→雑誌】・真州の大半を呑み込んだのである。その常闇と、三護の地を領する峰邑家は境を接しており、(p95下)→真州の大半を呑み込んだ怪異と、三護の地を領する峰邑家は境を接している。
【新書→雑誌】・ゆえに常闇の吟味も(p95下)→ゆえに常闇の調べも
【新書→雑誌】・出入りする斥候隊と、(p95下-96上)→常闇に出入りする斥候隊の働きと、
【新書→雑誌】・神藤新後守七宗と家臣団が(p96上)→神藤新後守七宗率いる家臣団が
【新書→雑誌】・常闇そのものを知ろうとする闇佐のような者たちのほか、(p96下)→常闇奉行配下の者たちのほか、
コメントなどありましたらお気軽にお願いします。
#4へ続きます。
次回もお付き合いいただければ幸いです。
ご覧いただきありがとうございました。
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