【ネタバレ】詠坂雄二『日入国常闇碑伝』「事為得」検証第6回
詠坂氏は初出時から書籍化、文庫化される際に手を加えています。
『日入国常闇碑伝』も例に漏れず、雑誌掲載時から書籍化(新書)する際の加筆修正があるので検証を行っていこうと思います。
『日入国常闇碑伝』の「事為得」検証第6回です。
今回は、コトナシエルが実在するのかどうかの話の場面から、暴虐の限りを尽くした怪物が出現した場面の描写までです。
ネタバレありますので作品読了後にご確認ください。
・【雑誌のみ】…文庫では削除。文庫のどこに書かれていたかも記載しています。
・【新書のみ】…書き下ろしです。
・【新書→雑誌】…雑誌ではこうだった。
・カッコ内は、新書でのページ数とその上段か下段かになります。
・必要なところに解説を加え、重要な部分は太線にしています。
「事為得」#6
【新書→雑誌】・森に入るにあたり、(p68上)→森に入る直前、【新書→雑誌】・視界は闇光によって確保されている。そのため今が夜か昼かも判らない。(p68上)→闇光により常に視界が得られるため、今が夜か昼かも判らない。
【新書→雑誌】・帝家には数多くの史書が伝わっておりますとショクは言う。(p68下)→帝家には数多くの史紀が伝わっているのですとショクは言う。
【新書→雑誌】・眠っていたものが起き出すほどの異変だ。(p70上)→集団がざわつく。眠っていた者が起き出すほどの異変。
【新書→雑誌】・そんなはずはないと闇佐は思う。(p71上)→そんなはずはないと闇佐は反感と共に思う。
【新書→雑誌】・自らの力量を発揮する場を望むのでは?(P72上)→自らの力量を発揮する場をこそ望むものではないだろうか。
【新書→雑誌】・真実そうならばと闇佐は思う。闇払いは可能であるのかもしれぬ。(p72上)→だとしたらと闇佐は思う。真に闇払いは可能であるかもしれぬ。
【新書→雑誌】・人の手で伐り開かれた形跡がなく、(p72下)→木々に囲まれたそこは人の手で伐り開かれた形跡がなく、
【新書→雑誌】・背の高い草もなく、天は常闇に遮られているばかり。(p72下)→足元は土であり、背の高い草もなく、天は常闇に遮られているばかり。
【新書→雑誌】・前をゆく刀冶朗がふと呟いた。ひどく冷えた声だった。(p72下)→斥候隊を止め、刀冶朗がふと呟いた。何がですか―そんな問いを封じる、冷たい声であった。
【新書→雑誌】・まず巨きい。(p73上)→とにかく巨大だ。
【新書→雑誌】・記述は全編にわたり曖昧である。(p74上)→記述は全編にわたり曖昧なものである。ハの説明も同様。
【新書→雑誌】・多頭の龍として描かれることもままあった。(p74上)→多頭の龍として描かれることも珍しくはないようだった。
コメントなどありましたらお気軽にお願いします。
#7へ続きます。
次回もお付き合いいただければ幸いです。
ご覧いただきありがとうございました。
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