【ネタバレ】詠坂雄二『日入国常闇碑伝』「炎吹刀」検証第2回目
詠坂氏は初出時から書籍化、文庫化される際に手を加えています。
『日入国常闇碑伝』も例に漏れず、雑誌掲載時から書籍化(新書)する際の加筆修正があるので検証を行っていこうと思います。特に発表年が古いほど修正が多くあります。
『日入国常闇碑伝』の「炎吹刀」検証第2回目です。
今回は序文の部分になります。炎吹刀と佐藤炎吹とはというところです。意味ありげな姓ですね…。これは後々のブログで考察します。
以下ネタバレありますので作品読了後にご確認ください。
・【雑誌のみ】…文庫では削除。文庫のどこに書かれていたかも記載しています。
・【文庫のみ】…文庫書き下ろしです。
・【文庫→雑誌】…雑誌ではこうだった。
というように書いていき、必要なところは解説も加えます。重要な部分は太線にしています。
「炎吹刀」#2
【新書→雑誌】・予備の武器という位置づけか、(p91下)→予備の武器か、
【新書→雑誌】・または欠けるなどし、寿命をまっとうしたと見るべきだろう。(p92上)→または欠け、時代時代で寿命をまっとうしたと見るべきだろう。
【新書→雑誌】・同時代の史料にはしばしば名が挙がる刀工だが、(p92下)→同時代の史料にはしばしば名が挙がるのだが、
【新書→雑誌】・三護を領す峰邑氏がまとめた常闇作法心得では、(p93上)→三護を領していた峰邑氏がまとめた一級資料である常闇作法心得では、
【新書→雑誌】・もちろん常闇同様、現代では確認されておらず、(p93下)→もちろん常闇が失われて久しい現代では確認されず、
※常闇が払われてから、それなりの年数が経っているということですね。
【新書→雑誌】・辛うじて人柄にいくつかの記述が及ぶのみだ。(p93下)→その人柄にいくつかの記述が及ぶのみだ。
【新書→雑誌】・炎吹の作刀技法は継承されず、現代に残ってもいない。その理由はこれまで、当人の性質に由来すると語られてきた。(p93下)→炎吹の作刀技法は後世に残っておらず、その理由はしばしばそうした当人の性質に由来すると語られてきた。
【新書→雑誌】・であれば、外的要因もまたその技法を密やかなものにしたことになる。(p94上)→外的要因もまた、その技法を密やかなものにしたというわけだ。
【新書→雑誌】・妖魔の正体は炎吹刀の作刀技法と共に、その空白を今も保ち続けている。(p94上)→その技法と共に現代でも解き明かせない空白を保っている。
※おそらく常闇消失後からワーニーが生きた時代までには、妖魔がいない、いても世間に認識されていない、ということですね。妖魔がいるとわかっていれば妖魔そのものから正体を探ろうとするでしょうし。
コメントなどありましたらお気軽にお願いします。
#3へ続きます。
次回もお付き合いいただければ幸いです。
ご覧いただきありがとうございました。
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