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【検証】『日入国常闇碑伝』常闇の正確な発生期間

詠坂雄二『日入国常闇碑伝』(講談社ノベルス) ー常闇の正確な発生期間ー 詠坂雄二『日入国常闇碑伝』の「常闇」の正確な発生期間が曖昧にしか書かれていないので、作品内から検討をつけました。 以後ネタバレがありますので作品読了後にご確認ください。 こちらのブログも...

2020年3月7日土曜日

『日入国常闇碑伝』「事為得」#3

【ネタバレ】詠坂雄二『日入国常闇碑伝』「事為得」検証第3回目


詠坂氏は初出時から書籍化、文庫化される際に手を加えています。

『日入国常闇碑伝』も例に漏れず、雑誌掲載時から書籍化(新書)する際の加筆修正があるので検証を行っていこうと思います。

『日入国常闇碑伝』の「事為得」検証第3回目です。

この場面は、常闇が現れたのが今回が初めてだったのか?と疑問を抱く部分から、守峰刀冶朗と闇佐の会話までになります。

妖魔の定義が雑誌版のみ載っています。

ネタバレありますので作品読了後にご確認ください。





・【雑誌のみ】…文庫では削除。文庫のどこに書かれていたかも記載しています。
・【新書のみ】…書き下ろしです。
・【新書→雑誌】…雑誌ではこうだった。
・カッコ内は、新書でのページ数とその上段か下段かになります。
・必要なところに解説を加え、重要な部分は太線にしています。

「事為得」#3
【新書→雑誌】・戦世を経て、いまだ日の入りはひとつの国としてのまとまりが薄い。(p58下)→戦乱の世にあっては、日入国というひとつの国としてのまとまりはない

【新書→雑誌】・だが大名の誰も、帝家を滅ぼして新たな名の国を建てようとせず、帝家を残し、日入国という枠を利用してきた。(p58下-59上)→だが大名の誰も、帝家を抹殺し、新たな名の国を建てなかったのだ。残しておき、日入国という枠を利用し続けてきたのである

【新書→雑誌】・その枠が必要とされる限り、帝家も存続してゆくのだろう。(p59上)→逆に言えば、日入国という枠が要る限り帝家は続くのであろう。

【新書のみ】・そうした理は今に始まったことではない。古よりの作法でもあるのだ。(p59上)

【新書→雑誌】・これまで存在が信じられてはこなかった、妖しく、劍紀に記されたようなものたちである。(p59上)→単体で国を滅ぼすとされるような怪獣ではない。それまで知られていなかった妖しきものという意味で妖魔とよばれているものどもだ。鬼、物言う獣、まさに劍紀に記されたようなものたちである。

【新書→雑誌】・どうあれ、断る選択はなかったのだろう。(P59下)→引き受けた闇佐が面白味を感じなかったと言えば嘘になるが、それ以上の不安もまたあるのだった。

【新書→雑誌】・鍛錬のほどもここまでの歩き振りで知れるわ。大したものよ」(p60上)→ここまでの歩き振りで知れるわ」

【新書→雑誌】・「見映えばかり重んじているのでは?」(p60上)→「見映えばかり重んじているとしか思われませんが―

【新書→雑誌】・輿に載せ十人ほどが担いでここまで運んできたのだが、実のところ、それほどの人手が要る大きさではない。(p60下)→運ぶ際には輿に載せ、十人ほどが担ぐことになる。それほどの人手が要る大きさではない。

【新書→雑誌】・畏れるように距離を取り、(p60下)→当然のように距離を取り、

【新書→雑誌】・「よくは知らぬのだが、建国にまつわる聖剣なのであろう?」(p61上)→「よくは知らぬのだが、建国の聖剣なのであろう?」


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#4へ続きます。
次回もお付き合いいただければ幸いです。

ご覧いただきありがとうございました。

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