【ネタバレ】詠坂雄二『日入国常闇碑伝』「事為得」検証第9回
詠坂氏は初出時から書籍化、文庫化される際に手を加えています。
『日入国常闇碑伝』も例に漏れず、雑誌掲載時から書籍化(新書)する際の加筆修正があるので検証を行っていこうと思います。
『日入国常闇碑伝』の「事為得」検証第9回目です。
今回は怪物ハとの戦いのあと、コトナシエルの秘密について語る場面から本編の最後までになります。
ネタバレありますので作品読了後にご確認ください。
・【雑誌のみ】…文庫では削除。文庫のどこに書かれていたかも記載しています。
・【新書のみ】…書き下ろしです。
・【新書→雑誌】…雑誌ではこうだった。
・カッコ内は、新書でのページ数とその上段か下段かになります。
・必要なところに解説を加え、重要な部分は太線にしています。
「事為得」#9
【新書→雑誌】・素晴らしい結果ですよ」(p83上)→伝わる櫃を用いればどれほどの力を発揮することであるか」【新書→雑誌】・櫃は空だったのですね。いざ開かれるまでは」(p83下)→「開かれるまで、櫃には何も入っていなかったのでしょう」
【新書→雑誌】・「……あれらは帝家の兵、(p8上)→「気付かれましたか。……ええ、あれらは帝家の兵、
【新書→雑誌】・また当初、その姿寸法をひとつに定められなかったのだ。(p84上)→また姿寸法をひとつに定められなかったのだ。
【新書→雑誌】・帝家は人の世に穂の天地をもたらし、(p84下-85上)→帝家は人の手に穂の天地をもたらし、
【新書→雑誌】・それだけではない。(P85上)→また闇佐自身、信じたくないのかもしれなかった。
【新書→雑誌】・常闇が円形であったと考えても齟齬をきたさないのである。(p86上)→常闇が円形であったと考えても、明らかな齟齬はきたさないのである。
【新書→雑誌】・二点ばかり反論が寄せられている。(p87上)→二点ばかし反論があるのだった。
【新書→雑誌】・常闇を封じる社が、なぜ常闇に呑まれた土地にあるのか、(p87上)→常闇を封じるための社がなぜ常闇の中にあるのか、
【新書→雑誌】・そうした返答を受けて、反対論者の意見は次のような一文で閉じるのが定番となっている。(p87下)→反対論者の論旨はその辺りで優勢へ傾き、次のような一文で幕を閉じるのが定番となっている。
【新書→雑誌】・そもそも円形説が正しいのであれば、帝家はまるで常闇を滅したくなく、わざと日入国に残したかのようではないか。(p87下)→説が正しいのであれば、帝家はまるで常闇を滅したくはなく、あえて残しておいたかのようではないか。
コメントなどありましたらお気軽にお願いします。
次回もお付き合いいただければ幸いです。
ご覧いただきありがとうございました。
0 件のコメント:
コメントを投稿