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2020年4月15日水曜日

『日入国常闇碑伝』「雨鉄炮」#17

【ネタバレ】詠坂雄二『日入国常闇碑伝』「雨鉄炮」検証第17回


詠坂氏は初出時から書籍化、文庫化される際に手を加えています。
『日入国常闇碑伝』も例に漏れず、雑誌掲載時から書籍化(新書)する際の加筆修正があるので検証を行っていこうと思います。

『日入国常闇碑伝』の「雨鉄炮」検証第17回目です。
今回は、闇佐が弓を射る場面からテナガが敵に向けて銃を放った場面までになります。

以下ネタバレありますので作品読了後にご確認ください。





・【雑誌のみ】…文庫では削除。文庫のどこに書かれていたかも記載しています。
・【文庫のみ】…文庫書き下ろしです。
・【文庫→雑誌】…雑誌ではこうだった。
というように書いていき、必要なところは解説も加えます。重要な部分は太線にしています。



「雨鉄炮」#17


【新書→雑誌】・射程も相応に短いが、そのぶん携行に秀でた代物である。(p152下)→射程も相応であるが、その分携行に秀で、用途も豊富に考えられる代物である。

【新書→雑誌】・闇佐は弓に用いるものより短い矢と、更に綿を荷より取り出した。(p152下)→取り出したる矢は鉄製のそれであった。更に闇佐は荷より綿の布を取り出した。

【新書→雑誌】・常闇奉行務が得た瑣末な成果、(p152下)→常闇奉行万請負役の些細な成果、

【新書→雑誌】・狙いなど付けようもない。(p153上)→眼にて狙いなど付けようもない。

【新書→雑誌】・頭を晒した途端、カタメの二の舞となるだろう。(p153上)→身を晒すなど埒もなかった。

【新書→雑誌】・ぼわっと遠方で大火の気配がした。銃声は聞こえない。二呼吸置いてから闇佐は外の様子をそっと窺った。(p153上)→ぼわ、と火の大きくなる気配がし、銃声が途絶えた瞬間を見計らい、闇佐は外の様子を窺った。

【新書→雑誌】・敵のいる小屋が炎に包まれていた。(p153上)→敵が潜む小屋が大火に包まれていた。

【新書→雑誌】・瞬時に火が回ったようだ。(p153上)→あっという間に火が回ったようだ。

【新書→雑誌】・やはりと闇佐は頷いた。(p153上)→やはり。

【新書→雑誌】・小屋の中で撃てぬ理由があったからだろう。その理由とは何か。(p153上)→それは小屋の中で撃てぬ理由があったからでは?それならば理由は一つしかない

【新書→雑誌】・屋根の敵は炎にうろたえているようだ。長く銃声が途絶えている。(p153下)→屋根の敵はうろたえたようだった。先程より長く銃声が途絶えている。

【新書→雑誌】・いや、構えと呼んで良いものかどうか。(p153下)→その異形の姿勢を構えと呼んで良ければ、だが。

【新書→雑誌】・火蓋を切る音が聞こえた刹那に銃火が閃いた。(p153下)→火蓋を切る音が聞こえるやいなや、銃声が走り抜ける


コメントなどありましたらお気軽にお願いします。
#18へ続きます。
次回もお付き合いいただければ幸いです。
ご覧いただきありがとうございました。

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