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【検証】『日入国常闇碑伝』常闇の正確な発生期間

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2020年4月5日日曜日

『日入国常闇碑伝』「雨鉄炮」#7

【ネタバレ】詠坂雄二『日入国常闇碑伝』「雨鉄炮」検証第7回


詠坂氏は初出時から書籍化、文庫化される際に手を加えています。

『日入国常闇碑伝』も例に漏れず、雑誌掲載時から書籍化(新書)する際の加筆修正があるので検証を行っていこうと思います。

『日入国常闇碑伝』の「雨鉄炮」検証第7回目です。
今回は、民話に出てくる手長がどういう話なのかというところから、闇佐がカタメに連れられテナガと会う場面までになります。

以下ネタバレありますので作品読了後にご確認ください。





・【雑誌のみ】…文庫では削除。文庫のどこに書かれていたかも記載しています。
・【文庫のみ】…文庫書き下ろしです。
・【文庫→雑誌】…雑誌ではこうだった。
というように書いていき、必要なところは解説も加えます。重要な部分は太線にしています。


「雨鉄炮」#7


【新書→雑誌】・あるいは深い森(p136下)→あるいは木々深い森

【雑誌のみ】・天頂より下りてくるので樹上に誰ぞいるのかとも思えない。下りてくる手は長く、(新書p137上2行目“目撃する。”の後に入り“その根元は”に繋がる)

【新書→雑誌】・その根元は視界の利く限りどこまでも伸び、決して見切れないのだという。(p137上)→その根元は視界の利く限りどこまでも長く見えるのだ

【新書→雑誌】・信仰の対象となっているような話を闇佐は聞いたことがなかった。(p137上)→信仰の対象とはなっていないはずだった。

【新書→雑誌】・村長が合図をすると客間の戸が開いた。(p137上)→村長が合図をすると、客間の外より声が聞こえた「お目に掛かります」

【新書→雑誌】・村長は右眼を眼帯で覆っていた。(p137下)→村長は片眼を眼帯で覆っていた。

【新書→雑誌】・実際に隻眼であるのかもしれない。(p137下)→実際に片眼であるのやもしれぬ

【新書→雑誌】・村長は、あれの場所へ案内せいと女に告げた。(p138上)→村長はカタメに、あれの場所へ案内しろと告げた

【新書→雑誌】・「わたしを介さずテナガ様に近付くことはお控え下さいますよう」(p138上)→「わたしを介することなしに、テナガ様に近付くことはお控え下さいますよう、お願いいたします

【雑誌のみ】・「とりわけ慣れていない方が近付くと危険ですので」(新書p138上11と12行目の間に入る)

【新書→雑誌】・そう言い、(p138下)→それだけ言い、

【新書→雑誌】・白い煙が一筋立ち上っている。(p138下)→白い煙まで出始めている。

【新書→雑誌】・カタメは火掻き棒で炎を整えた。(p138下)→カタメは火掻き棒を手にして炎を整えた。


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#8へ続きます。
次回もお付き合いいただければ幸いです。
ご覧いただきありがとうございました。

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