【ネタバレ】詠坂雄二『日入国常闇碑伝』(講談社ノベルス)「英雄蠅」検証第4回
詠坂氏は初出時から書籍化、文庫化される際に手を加えています。
『日入国常闇碑伝』も例に漏れず、雑誌掲載時から書籍化(新書)する際の加筆修正があるので検証を行っていこうと思います。
『日入国常闇碑伝』の「英雄蠅」検証第4回目です。
今回は、腹唐総衛門と峰木光介が暴れている群青具足について話している場面から、光介が闇佐のいる屋敷に入る場面までになります。
以下ネタバレありますので作品読了後にご確認ください。
・【雑誌のみ】…文庫では削除。文庫のどこに書かれていたかも記載しています。
・【文庫のみ】…文庫書き下ろしです。
・【文庫→雑誌】…雑誌ではこうだった。
というように書いていき、必要なところは解説も加えます。重要な部分は太線にしています。
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「英雄蠅」#4
【新書→雑誌】・何者かが暴れているということでしょうか」(p166下)→何者かが暴れていると?」
【新書→雑誌】・群青具足は頑強な造りだが、(p167上)→刀冶朗のために拵えられた群青具足の造りは頑強であるが、
【新書→雑誌】・死した者が(p167下)→五体満足で死した者は、
【新書→雑誌】・「左様。しかし歩骸であれば、人を襲ったところで七日と経たず腐れ落ちよう」(p167下)→「左様。しかし歩骸であれば人は襲わぬ。また七日と経たず腐れ落ちよう」
【新書→雑誌】・保ちすぎであろう。(p167下)→長く保ちすぎであろう。
【新書→雑誌】・「―光介、ぬしは若くして峰邑家剣術指南役を務めておるな」(p168上)→「―ぬしは若くして峰邑家剣術指南役を務めておる」
【新書→雑誌】・常闇奉行の懸念を察し、光介は手を挙げた。(p168上)→常闇奉行の懸念を察し、いえ、と光介は手を挙げ機先を制した。
【新書→雑誌】・―らしき具足武者の乱心狼藉である。(p168下)→―らしき具足武者の狼藉である。
【新書→雑誌】・土地を治むる力なしと見なされれば即座に処分が下る。(p169上)→領主たる力なしと見なされれば即座に処分が下るのだった。
【新書のみ】・いや、光介自身はひとりでこなしたかったが、総衛門が許さなかったのだ。(p169上)
【新書→雑誌】・林中、黒く塗り染められた板堀で囲まれた平屋敷だ。(p169上)→林中、人目を忍ぶためか黒く塗り染められた板堀にて囲まれた怪しげな平屋敷である。
【新書→雑誌】・とりわけ後ろ暗い人材を集めた屋敷である。(p169上)→とりわけ後ろ暗い人材を集めた屋敷であるのだろう。
【新書→雑誌】・門を潜ってから案内人に先導され(p169上)→案内人に先導され
コメントなどありましたらお気軽にお願いします。
#5へ続きます。
次回もお付き合いいただければ幸いです。
ご覧いただきありがとうございました。
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