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2020年1月28日火曜日

「悟りの書をめくっても」#5

詠坂雄二『ナウ・ローディング』の短編「悟りの書をめくっても」の検証第5回目です。


今回は万年青のインタビューの場面です。

ネタバレもありますので、作品読了後にご確認ください。



・【雑誌のみ】…文庫版では削除。文庫版のどこに書かれていたかも記載しています。
・【文庫のみ】…文庫版書き下ろしです。
・【文庫→雑誌】…文庫の文が雑誌ではこうだった。
というように書いていき、必要なところは解説も加えます。



「悟りの書をめくっても」#5

【文庫→雑誌】・テーブルに座り、悩むような目つきでメニューを見ている。(p109)→歳は三十歳過ぎだろう。短く刈り込んだ頭が健康的だ。悩むような目つきでメニューを見ている。

【文庫→雑誌】・今のところRTAはマイナーな遊びで、ただでさえ少ない走者もタイトルごとに分散してしまっている。(p112)→今のところRTAは対象となる範囲が広すぎ、走者が分散してしまっている。

【文庫→雑誌】・RTAの対象となるタイトルは解析が進んだ古い作品が多く、(p112)→マイナーな遊び方であるRTAの走者は数は少なく、対象となるタイトルも解析の進んだ古いゲームがほとんど。

【文庫→雑誌】・ゲームが文化なら、その遊ばれ方も文化であり、そして文化というものは変化を退けた時に衰えていくものなのだから―と。(p113)→ゲームが文化なら、その遊ばれ方も文化なのだから。

【文庫→雑誌】・記事には書きませんでしたが、(p113)→……記事にはありませんが、万年青さんが次代のRTAを担う人だというのは、

【文庫→雑誌】・自分たちとは違うきっかけから始めた人で、それだからこそ次代のRTAが担えるのだと」(P113)→自分たちとは違うきっかけで始めた人だからと」

【文庫→雑誌】・RTAを記事にするにあたり、まずドラクエⅢの走者を取材しようと決めた理由はそれなんです」(p114)→RTAを記事にすると決め、迷わずドラクエⅢのRTAを選んだ理由はそれなんです」

【文庫→雑誌】・尊敬できる人たちと対等な挑戦ができること、それがわたしには大事だった。(p115)→対等な仲間がそこにいること、それがわたしにとっては大事だった。

【雑誌のみ】・銜えて、生まれや育った環境から自分の意志と関係なく求められる振る舞いも、RTAにはない。(文庫p115の15行目と16行目の間に入る)

【雑誌のみ】・自分の中でもまとまっていないことなのに。いや、まとまっていなかったからかもしれない。(文庫p117の7行目の前に入る) 
※万年青が柵馬にアカイライの不正について聞く前の心情。

【文庫→雑誌】・「だとすると僕より歳上です。おそらく四十歳前―(p118)→「だとすると四十歳前後……

【文庫→雑誌】・そう柵馬さんは言って笑う。(p118)→そう柵馬さんは言って小さく笑う

【文庫のみ】・ノワさんがインタビューで言ったのと同じようなことを(p119)

【文庫→雑誌】・とにかくデジタルデータは変わらない。いや、変われない。(p119)→とにかくゲームは変わらない。いや、変われないといったほうがニュアンスとして正しい

【文庫のみ】・データの解析結果が広く共有されるようになったのはインターネットの普及以降のことだと思います。(p120)

以上万年青のインタビューの場面でした。RTAってどういうものかというものが判りますね。私も少し興味があり、You Tubeなどで観たりしました。


コメントなどありましたらお気軽にお願いします。
#6へ続きます。
次回もお付き合いいただければ幸いです。
ご覧いただきありがとうございました。

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