【ネタバレ】詠坂雄二『遠海事件 佐藤誠はなぜ首を切断したのか?』(光文社文庫)「第五章」検証第5回
今回は「第五章」5回目、阿比留がレンタルビデオ店のトライロック藤咲店へ赴いたところで、店員に店長を呼んでいる場面までになります。
以下ネタバレもありますので作品読了後にご確認ください。
【四六判のみ】…文庫では削除。削除部分が文庫のどこにくるかも記載しています。
【文庫のみ】…文庫書き下ろしです。
【文庫→四六判】…四六判ではこうだった(カッコ内は文庫のベージ数です)。
というように書いていき、必要なところは解説も加えます。重要な部分は太線にしています。
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「第五章」#5
【文庫→四六判】トライロック藤咲店は遠海駅から三つ離れた駅の正面にあった。(p142)→トライロック藤咲店は遠海駅から三つ離れた郊外駅の正面にあった。
※藤咲店というからには、この郊外駅の名称も藤咲駅、となるのでしょうか。
【文庫→四六判】硝子張りの外壁にはレンタルビデオ・DVDと描かれ、狭い入口がその隣りにある。(p142)→硝子壁にはレンタルビデオ・DVDとあり、その隣に狭い入口が構えている。
【文庫→四六判】中は更に狭かったが、冷房は効いており、昼すぎのいちばん暑い時間帯、重たい熱気から逃れた阿比留は息を吐いて店内を見た。(p142)→昼過ぎの一番暑い時間帯、夏らしい重たい熱気から逃れた阿比留は、息を吐いて店内を見回した。
【文庫→四六判】狭く感じるのは棚同士の間隔が詰められているためらしい。(p142)→狭く感じるのは棚同士の間隔が詰められているせいだった。品揃えを重視しているのだろう。
【文庫→四六判】平日の昼間だというのにレジには客が並び、二人の店員が応対している。(p142)→平日の昼間だというのにレジには数人の客が並び、二人の店員が応対している。
【文庫→四六判】それが引けるのを待ち、阿比留は店員に身分証を提示した。(p142)→客が引けるのを待ち、阿比留は店員へ身分証を提示した。
【文庫→四六判】学生だろうか、長髪で痩せた店員は興味なさそうに、なんでしょうと言う。(p142)→学生だろうか、痩せた体付きに髪をだらしなく伸ばした若い店員は、興味なさそうに何でしょうと言う。
【文庫→四六判】店員は返却されたビデオを抱えてレジを出ていった。(p142)→そっけなく言い、彼は返却されたビデオを抱えレジを出ていった。
【文庫→四六判】阿比留はすぐさまもうひとりに話しかけた。(p143)→阿比留はすぐさまもう一人の店員へ呼び掛けた。
【文庫→四六判】六時くらいですよと答えた。(p143)→六時くらいですと答えた。
【文庫→四六判】「店長が出てくるのは、嘘じゃないです」(p143)→「店長が出てくるのは、大体。―嘘じゃないですからね」
【文庫→四六判】だが店員は胡散臭そうな眼を向けただけで、すぐ店内に視線を戻してしまう。(p143)→内緒話のように声を潜めたが、店員は胡散臭そうな眼をちらと向けただけで、すぐに店内へ視線を戻してしまう。
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