【ネタバレ】詠坂雄二『遠海事件 佐藤誠はなぜ首を切断したのか?』(光文社文庫)「第四章」検証第14回
今回は「第四章」14回目、遠海事件の二日後阿比留と松代がパレス遠海を再訪し、マンション管理人と話し、玄関ホールの防犯カメラに映らずマンション内に入れるかどうかを聞いているところです。
以下ネタバレもありますので作品読了後にご確認ください。
【四六判のみ】…文庫では削除。削除部分が文庫のどこにくるかも記載しています。
【文庫のみ】…文庫書き下ろしです。
【文庫→四六判】…四六判ではこうだった(カッコ内は文庫のベージ数です)。
というように書いていき、必要なところは解説も加えます。重要な部分は太線にしています。
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「第四章」#14
【文庫→四六判】パレス遠海に制服警官の姿はなかった。(p119)→警察関係者と一目で判る姿も消えたマンションの玄関をやり過ごし、
【文庫→四六判】阿比留と松代は管理小屋を覗いてみた。(p119)→阿比留は松代と共に管理小屋を覗き込んだ。
【文庫→四六判】「警察の皆さんも早くに引き上げてくださって、住人たちから苦情もありません」(p119)→「その後はどうでしょう。何かありましたか」「おかげさまで何も。警察の皆さんも早くに引き上げてくれて、他から苦情もありません」
【文庫→四六判】それは良かったと阿比留は大袈裟に頷いてみせた。渡された封筒は無駄ではないよとの意味を込めて。(p119)→それは良かったと阿比留は大袈裟に頷いた。封筒の中身は無駄ではないよとの意味を込めて。
【文庫→四六判】それでと管理人は続けた。今日は何用でしょうか。(p119)→「それで、今日は何用でしょう」
【文庫→四六判】「玄関ホール防犯カメラがありますよね。あれに映らず、マンション内部へ出入りすることは可能ですか」(p119)→「玄関ホールに防犯カメラがありますね」はいと応え、管理人は身構える。阿比留は真顔で尋ねた。「あれに映らず、マンションへ出入りすることは可能ですか」
【文庫→四六判】「ああ、だからその、各部屋のベランダから入り込むようなことはできますよ。(p119)→「ああ、だからそのですね。ベランダの方から入り込むようなことは出来ますよ。
【文庫→四六判】高さはありますが、脚立でもかけられたらひとたまりもないので」(p119)→高さがあるったって、脚立でも掛けられたらひとたまりもありませんし」
【文庫→四六判】「そうですね。非常階段を使えばもしかしたら。建物にくっついていますよね。(p120)→「―非常階段が建物にくっついていますよね。
【文庫→四六判】管理人が示す先に、マンション外壁へめりこむようなデザインの円柱状の建物が見えた。(p120)→管理人が指差す先、マンションの外壁へめりこむようにしてある円柱状の建物が見えた。
【文庫→四六判】あか抜けないオブジェのようにも見える。(p120)→垢抜けないオブジェのような姿だ。不動産業が元気だった頃の名残かも知れない。
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ご覧いただきありがとうございました。
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