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2020年7月18日土曜日

『遠海事件』「第四章」#16 漠然とした不安

【ネタバレ】詠坂雄二『遠海事件 佐藤誠はなぜ首を切断したのか?』(光文社文庫)「第四章」検証第16回



今回は「第四章」16回目、阿比留と松代が非常階段塔に入ったところです。防犯カメラに映らずパレス遠海に出入りできるのかを検証しています。阿比留が漠然とした疑いのようなものを感じています、単純な事件でないというような。


以下ネタバレもありますので作品読了後にご確認ください。


【四六判のみ】…文庫では削除。削除部分が文庫のどこにくるかも記載しています。
【文庫のみ】…文庫書き下ろしです。
【文庫→四六判】…四六判ではこうだった(カッコ内は文庫のベージ数です)。
というように書いていき、必要なところは解説も加えます。重要な部分は太線にしています。

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「第四章」#16


【文庫→四六判】手探りで壁のスイッチを入れると、蛍光灯が一斉に点る。(p121)→手探りで照明の電気を入れれば、壁際にぐるりと配置された蛍光灯が一斉に点る。

【文庫→四六判】災害で電気がストップした場合にはどうするのか、(p121)→火事や地震で電気がストップした場合にはどうするのか、

【文庫→四六判】掃除どころかしばらく誰も足を踏み入れていないようだ。(p121)→年末の掃除どころかここ数年は誰も足を踏み入れていないようだ。

【文庫→四六判】「蛎塚諒一の死亡推定時刻は午後五時半以降。(p121)→「蛎塚諒一の死亡推定時刻は午後五時五十五分前後

【文庫→四六判】正面玄関を通らず八階に至る道がなけりゃな」(p121)→正面玄関を通らずに八階へ至る道がなけりゃな」

【文庫→四六判】苦笑しつつ松代は非常階段塔の外壁を眺めた。(p122)→苦笑し、松代は非常階段塔の外壁を眺めた。

【文庫→四六判】「やはり普通に玄関を通ったんじゃありませんか。変装したという可能性もあります。(p122)→「やはり正面玄関を通ったんじゃありませんか。変装という可能性もあります。

【文庫→四六判】蛎塚諒一の屍体を見た時に触ってしまい、すぐに思い過ごしと忘れたはずの感触だ。(p122)→一昨日、蛎塚諒一の屍体を見た時に触ってしまい、すぐ思い過ごしと忘れたはずの感触だ。

【文庫→四六判】それは今も膨れ続けていた。漠然とした疑いのようでも、些細な諦めのようでもある。(p122)→それは消えず、今も膨れ続けていた。漠然とした疑いのようでもあり、些細な諦めのようでもある。

【文庫のみ】そいつはずっと囁いていた。(p122)

【文庫→四六判】根拠はない。(p122)→根拠は無論ない

【文庫→四六判】収まりの悪さを説明したくて手近な関係者を疑っているだけじゃないのかと言われても、(p122)→収まりの悪さを説明したくて手近な関係者を疑っているか、単に気に入らないだけじゃないのかと言われても、


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