【ネタバレ】詠坂雄二『遠海事件 佐藤誠はなぜ首を切断したのか?』(光文社文庫)「第四章」検証第1回
詠坂氏は初出時から書籍化、文庫化される際に手を加えています。
『遠海事件』は、詠坂雄二の代表作というか、主要キャラの佐藤誠が主人公で、他作品へのクロスオーバーが多く、他の作品を読む前に是非呼んでいただきたい一冊になります。
今回から「第四章」の検証になります。
今回は阿比留が県警鑑識課で、鑑識課員の吾妻と話をし、「赤信号」という喫茶店へ行く場面です。
以下ネタバレもありますので作品読了後にご確認ください。
【四六判のみ】…文庫では削除。削除部分が文庫のどこにくるかも記載しています。
【文庫のみ】…文庫書き下ろしです。
【文庫→四六判】…四六判ではこうだった(カッコ内は文庫のベージ数です)。
というように書いていき、必要なところは解説も加えます。重要な部分は太線にしています。
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「第四章」#1
【文庫→四六判】阿比留が入っていった時、鑑識課員の吾妻は席でパソコンを弄っていた。(p104)→阿比留が鑑識課へ入っていった時、目当ての課員、吾妻は席でパソコンを弄っていた。
【文庫→四六判】画面には英文のリストと気味の悪い宇宙人の画像が映っている。(p104)→画面には英文のサイトが表示され、気味の悪い宇宙人の画像が映し出されている。
【文庫→四六判】「―ん。阿比留か」(p104)→「ん。―阿比留か」
【文庫→四六判】白衣姿とくたびれていない革靴が刑事部でも特殊な課員であることを示している。(p104)→白衣姿とくたびれていない革靴が刑事部でも別枠な鑑識課員であることを示している。
【文庫→四六判】頭は年相応以上に薄く、肌はかさかさに乾いていた。(p104)→頭は年相応以上に薄くなっているが、肌はかさかさに乾いていた。
【文庫→四六判】ヨーロッパはもちろん、アジアの、作った本人も忘れてるような映画までカバーしたデータベースを公開してるんだ。(p104)→ヨーロッパは勿論、アジア映画の、作った本人も忘れてるようなのまでカバーしたデータベースを公開してるんだ。
【文庫→四六判】吾妻は背もたれによりかかり、要件はなんだと問う。(p105)→吾妻は椅子へ凭れ、要件は何だと問う。
【文庫→四六判】二人が向かったのは、(p105)→そして二人が向かったのは、
【文庫→四六判】採光を諦めた店内に黄色い照明を配した雰囲気が売りの喫茶店(p105)→採光を諦めた薄暗い店内に黄色い照明を配した雰囲気が売りの喫茶店、
【文庫→四六判】鑑識課員は言った。(p105)→鑑識課員は向き直った。
【文庫→四六判】「どっかが歪んでる」(p106)→「―どっか歪んでる」
コメントなどありましたらお気軽にお願いします。
ご覧いただきありがとうございました。
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