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2020年7月11日土曜日

『遠海事件』「第四章」#9 阿比留の疑い

【ネタバレ】詠坂雄二『遠海事件 佐藤誠はなぜ首を切断したのか?』(光文社文庫)「第四章」検証第9回


今回は「第四章」9回目、引き続き阿比留と吾妻の会話部分です。
首を切ろうと思ったとき、当日の犯人の動きの見当付けについて話をし、阿比留は容疑者に心当たりがあると考えている場面です。

以下ネタバレもありますので作品読了後にご確認ください。


【四六判のみ】…文庫では削除。削除部分が文庫のどこにくるかも記載しています。
【文庫のみ】…文庫書き下ろしです。
【文庫→四六判】…四六判ではこうだった(カッコ内は文庫のベージ数です)。
というように書いていき、必要なところは解説も加えます。重要な部分は太線にしています。

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「第四章」#9


【文庫→四六判】「犯人は蛎塚を殺した時に首切りを思い付いたのか」阿比留が呟くと、(p113)→「蛎塚を殺してから首切りを思い付いたのか」阿比留が言うと

【文庫→四六判】「蛎塚諒一を殺したあとに思い付いて首を切り、有田智世の屍体も同じにするためアパートの部屋へ戻った。(p113)→「蛎塚諒一を殺した時にふと思い付いて首を切り、有田智世の屍体も同じようにする為、部屋へ戻った。

【文庫→四六判】……どうしてそんなことをしたんだ?」(p113)→―犯人はどうしてそんなことをしたんだ?」

【文庫→四六判】今はそれで充分だと阿比留は返す。「とりあえず犯人の動きを見当付けたかったんでな」(p113)→今はそれで充分だと阿比留は返す。充分?取り敢えず、犯人の動きだけ見当付けたかったんでな」

【文庫→四六判】捜査本部は目撃証言収集と動機の捜索に的を絞り動いていた。(p113)→捜査本部は犯行日の目撃証言収集と動機の捜索に的を絞り動いていた。

【文庫→四六判】事件時の天候から決定的な目撃証言が得られる可能性が低いというのもあったが、(p114)→事件時の天候から決定的な目撃証言が得られると思えないというのもあったが、

【文庫→四六判】一度しか会っていないが、彼の印象は阿比留の中で強く残っていた。(p114)→一度しか会っていないが、彼の印象は強く残っている

【文庫→四六判】自分が疑われていることを知りながら妙に落ち着いた素振りも引っかかっている。(p114)→自分が疑われていることを知りながら妙に落ち着いた素振りも引っ掛かっていた

【文庫→四六判】―まずは、足場固めだ。(p114)→―まずは、そう、足場固めだ。


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ご覧いただきありがとうございました。

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