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2020年7月17日金曜日

『遠海事件』「第四章」#15 円柱状の建物

【ネタバレ】詠坂雄二『遠海事件 佐藤誠はなぜ首を切断したのか?』(光文社文庫)「第四章」検証第15回



今回は「第四章」15回目、阿比留と管理人との会話部分から、管理人から円柱状の建物の合鍵を受け取り、ドアを開けたところまでになります。


以下ネタバレもありますので作品読了後にご確認ください。


【四六判のみ】…文庫では削除。削除部分が文庫のどこにくるかも記載しています。
【文庫のみ】…文庫書き下ろしです。
【文庫→四六判】…四六判ではこうだった(カッコ内は文庫のベージ数です)。
というように書いていき、必要なところは解説も加えます。重要な部分は太線にしています。

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「第四章」#15


【文庫→四六判】「あれを通れば入れます。ただ……」「ただ?」「外からは鍵なしに開かないようになっているんですよだから、玄関ホールのカメラに映らずマンションに入るなんてことはやっぱり無理ですよ」(p120)→「あれを使えば入れます。けれど、外からじゃ鍵なしには開けられませんからねカメラに映らず中に入るなんてことはやっぱり無理ですよ」

【文庫→四六判】阿比留は管理小屋の中を見た。(p120)→阿比留は管理小屋の中を見回す

【文庫→四六判】一昨日より物は増えているが、それでも生活臭には足りていない。(p120)→一昨日に比べていくらか物は増えているが、それでも生活臭には足りていない。

【文庫→四六判】壁にかかった藤城清治の影絵付きカレンダーも白々しかった。(p120)→壁にある藤城清治の影絵付きカレンダーもどこか白々しかった

【文庫→四六判】いえそんなと管理人は否定し、(p120)→いえいえそんなと管理人は否定し、

【文庫→四六判】「鍵だけ貸してもらえたら勝手にやりますが」(p121)→「鍵だけいただければ勝手にやりますが」

【文庫→四六判】管理人は愛想を浮かべ、助かりますと言って鍵を差し出した。(p121)→管理人は愛想を浮かべ、そうして貰えれば助かりますと束から一本取り外した

【文庫→四六判】ICチップが埋めてある防犯性の高い代物だ。(p121)→鍵は、立体的な溝にICチップが埋めてある防犯性の高い代物だった。

【文庫→四六判】合鍵もメーカーでしか作れない登録式の製品だが、管理する人間がこうでは、その防犯性も頼りないだろう。(p121)→合鍵もメーカーでしか作れない登録式の製品だ

【文庫→四六判】阿比留と松代は駐車場から裏手へ回り非常階段が入っているという建物の前に立った。(p121)→阿比留と松代はそれを持って駐車場の方から裏手へ回り込み非常倉庫の脇を抜けてそのドアの前に立った。

【文庫→四六判】解錠してドアを開けてみる。中は真っ暗だった。窓がないせいだった。(p121)→見上げても塔に窓はない。鍵でドアを開けると、中には闇が充満していた


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ご覧いただきありがとうございました。

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