【ネタバレ】詠坂雄二『遠海事件 佐藤誠はなぜ首を切断したのか?』(光文社文庫)「第四章」検証第3回
今回は「第四章」3回目、引き続き阿比留と吾妻が喋っている場面です。首を切断した凶器、二人を殺した凶器について、二人の死亡推定時刻についての話をしています。
以下ネタバレもありますので作品読了後にご確認ください。
【四六判のみ】…文庫では削除。削除部分が文庫のどこにくるかも記載しています。
【文庫のみ】…文庫書き下ろしです。
【文庫→四六判】…四六判ではこうだった(カッコ内は文庫のベージ数です)。
というように書いていき、必要なところは解説も加えます。重要な部分は太線にしています。
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「第四章」#3
【文庫→四六判】指揮が県警本部長へと移されたため増員した捜査本部もその見方を採っている。(p107)→指揮が本部長へ移され、増員された捜査本部もその見方を採っている。
【文庫→四六判】「歪んでいると言ったのはそっちだぜ」(p107)→「どこか歪んでいると言ったのはそっちだぜ」
【文庫→四六判】共に使われた凶器はマンションのキッチンに収納されていた包丁で間違いない。(p107)→共に使われた凶器はマンションのキッチン下に収納されていた包丁で間違いない。
【文庫→四六判】柄から被害者二人の血液が検出されている」(p107)→柄から殺された二人の血液が検出されてる」
【文庫→四六判】「首を切断するのに使われた得物は出てこない。(p108)→「首を切断するのに使った得物は出てこない。
※得物は出てこない=現存しない、得物≒炎吹刀という感じで、のちの『日入国常闇碑伝』の「炎吹刀」と引っ掛けているかもしれませんね。
佐藤誠と炎吹刀そのものが、作者の中でリンクしているように感じます。考えすぎかどうかは自分の中で判断が分かれます。初出時の「炎吹刀」では「誠」という名も出てきたので。
【文庫→四六判】殺しに使われたのはそこらで売ってる刺身包丁だ。頚椎の切断には荷が重い。(p108)→殺しに使われたのはそこらのホームセンターで売ってる刺身包丁だ。首を切断するには荷が重い。
【文庫→四六判】犯人は、殺しに使った凶器は洗ってキッチンにしまいながら、首の切断に使った得物は持ち帰ったわけだ。(p108)→犯人は、殺しに使った凶器は洗ってしまっておきながら、首の切断に使った得物は持ち帰っているわけだ。
【文庫→四六判】「そちらは犯人にとって特別な代物だった」(p108)→「そちらは私物だった」
※そら私物やから持って帰るんちゃうん?となったからかでしょうか。
【文庫→四六判】死亡推定時刻もいくらか蛎塚のほうが遅い。(p108)→死亡推定時刻も、幅があるにはあるが、蛎塚の方が遅い。
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ご覧いただきありがとうございました。
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