【ネタバレ】詠坂雄二『遠海事件 佐藤誠はなぜ首を切断したのか?』(光文社文庫)「第六章」検証第7回
今回は「第六章」7回目です。
引き続き取調室での阿比留と佐藤の会話です。
佐藤が阿比留に、ビデオ店でのアリバイが実はどうだったかという話をしています。
以下ネタバレもありますので作品読了後にご確認ください。
【四六判のみ】…文庫では削除。削除部分が文庫のどこにくるかも記載しています。
【文庫のみ】…文庫書き下ろしです。
【文庫→四六判】…四六判ではこうだった(カッコ内は文庫のベージ数です)。
というように書いていき、必要なところは解説も加えます。重要な部分は太線にしています。
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「第六章」#7
【文庫→四六判】「渋られたがな、確かにお前のデータはあったよ。(p185)→「散々渋られたがな、確かにお前のデータがあったよ。
【文庫→四六判】そうさと応えると、(p185)→そうさと答えると、
【文庫→四六判】店員の隙きを衝いて覗いたディスプレイには住所や電話番号もあったように覚えている。(p186)→店員の隙きを衝いて覗いたディスプレイには、住所や電話番号が並んでいたように覚えている。
【文庫→四六判】「賭けてもいいですけど、(p186)→「これは賭けてもいいですけど、
【文庫→四六判】あの画面に表示されていた名前はカタカナだった。(p186)→あの画面に表示されていた名はカタカナだった。
【文庫→四六判】「―アリバイをね、(p187)→「―はい。アリバイをね、
【文庫→四六判】僕みたいな名前だとそういうのが羨ましくて。(p187)→僕みたいな凡庸な名前だとそういうのがとても羨ましくて。
【文庫→四六判】子供のころから僕、自分の名前が好きじゃなかったんです。主役が務められる名前じゃない。パンチの利いたあだなをもらったことないのもそのせいだって。(p187)→子供の頃から僕、自分の名前が好きじゃなかったんですよ。主役の務められる名前じゃない。これと言ってパンチの利いた綽名を貰ったことないのもそのせいだって。
【文庫→四六判】「同姓同名の他人か」(p187)→「……同姓同名の他人か」
【文庫→四六判】「今まで知り合った他人に、自分とまったく同じ名前の人間は二人いましたよ。(p187)→「今までの人生で知り合った他人に、自分と全く同じ名前の人間は二人いましたよ。
【文庫→四六判】連絡が取れたのは三人いて、それとなく水曜の行動を尋ねてみたら、ひとり―真実の真と書いてマコトと読ませるやつなんですけど、そいつがその時間帯、地元のビデオ店で会員カードを作ったと言ったもので、それをそのままなんの加工もせずにお話したわけです」(p188)→すぐに連絡が取れたのは三人いて、それとなく水曜の行動を尋ねてみたら、一人―真実の真と書いてマコトと読ませる奴なんですけど、そいつがその時間帯、地元のビデオ屋へ行ったと言ったもので、じゃあそれいただきって、そのまま何の加工もせずに阿比留さんにお話したってわけです」
※会員カードを作ったかどうかというのがわからないから修正したのでしょうか。
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ご覧いただきありがとうございました。
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