【ネタバレ】詠坂雄二『遠海事件 佐藤誠はなぜ首を切断したのか?』(光文社文庫)「第五章」検証第12回
今回は「第五章」12回目です。
バイト中の時野が水谷と話をしているところで、首切りの三つの可能性について話している場面です。
以下ネタバレもありますので作品読了後にご確認ください。
【四六判のみ】…文庫では削除。削除部分が文庫のどこにくるかも記載しています。
【文庫のみ】…文庫書き下ろしです。
【文庫→四六判】…四六判ではこうだった(カッコ内は文庫のベージ数です)。
というように書いていき、必要なところは解説も加えます。重要な部分は太線にしています。
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「第五章」#12
【文庫→四六判】避けていた話題を向こうから振ってきたことに驚きながら、時野はそれらしく見えるよう腕を組み、(p152)→わざわざ避けていた話題を向こうから振ってきたことに驚きながら、時野は精々それらしく見えるようにと腕を組み、
【文庫→四六判】「こないだ説明した首切りの理由。いくつ喋ったっけ」(p145)→「―こないだ言った首切りの理由。可能性として残ってるものは何だったっけ」
【文庫→四六判】首を切ることで状況を操作しようとして、で三つ」(p152)→首を切ることで状況を操作しようとして、でしょ」
【文庫→四六判】さらりと答えられて時野は驚いた。(p152)→さらりと答えられ、時野は驚いた。
【文庫→四六判】「そこに足す可能性はない。(p152)→「そこへ足す可能性はない。
【文庫→四六判】状況の要素へ注目した推理と見ることができる。(p153)→状況にある要素へ注目した推理であると言い換えるわけだ。
【文庫→四六判】普通は理由には勘定しないけど、(p153)→普通は行為の理由には勘定しないけど、
【文庫→四六判】別枠で考えるべきことと言えばいいのかな。(p153)→別枠で考えるべきこと、と言っていいかも知れない。
【文庫→四六判】―俺はみすてりまにあだから、(p153)→―ほら、俺はみすてりまにあだから、
【文庫→四六判】時野はそこまでは語らなかった。彼はとても健全は本読みであり、メタフィクションが大嫌いだったのだ。(p154)→そこまでは言及せずにおく。彼はとても健全は本読みで、メタというものが大嫌いだったのだ。
【文庫→四六判】しばらくして、話題? と答えた。(p154)→しばらくし、話題? と答えた。
【文庫→四六判】それは切断する前に予想できたはずだ。犯人は話題になると判っていながら首を切ってるんだよ」(p154)→それは、切断する前でも予想出来たはずだ。犯人は話題になると判っていながら首を切ってるんだ」
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