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2020年8月21日金曜日

『遠海事件』「第六章」#3 取調室の佐藤誠

【ネタバレ】詠坂雄二『遠海事件 佐藤誠はなぜ首を切断したのか?』(光文社文庫)「第六章」検証第3回



今回は「第六章」3回目です。
阿比留が佐藤誠と再会する場面です。


以下ネタバレもありますので作品読了後にご確認ください。




【四六判のみ】…文庫では削除。削除部分が文庫のどこにくるかも記載しています。
【文庫のみ】…文庫書き下ろしです。
【文庫→四六判】…四六判ではこうだった(カッコ内は文庫のベージ数です)。
というように書いていき、必要なところは解説も加えます。重要な部分は太線にしています。


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「第六章」#3



【文庫→四六判】怒鳴りつけられる人種だと阿比留は見当付ける。(p180)→怒鳴りつけることの出来る人種だろうと阿比留は見当付ける。

【文庫→四六判】代用監獄に隣接してある取調室の前には二人の警官が詰めており、特有の張りつめた空気が漂っていた。(p180)→代用監獄に隣接してある取調室前には二人の警官が詰め、特有のぴんと張りつめた空気が漂っていた。

【文庫→四六判】禁煙表示のある壁の前へ置かれた灰皿には吸い殻が山盛りになっている。(p180)→禁煙表示がある壁の前へ置かれた灰皿には吸い殻山盛りだ

【文庫→四六判】スチールデスクに脂まみれの長髪を広げて突っ伏す影がいた。(p180)→スチールデスクへ座り、脂塗れの髪をざんばらにして突っ伏す影がいた。

【文庫→四六判】壁へもたれてそれを見ていた刑事は、(p180)→壁へ凭れてそれを監視していた刑事は、

【文庫→四六判】沢木はデスクへ歩み寄ると参考人の髪を無造作に掴み上げながら椅子を払った。(p180)→沢木はつかつかとデスクへ歩み寄り、その真後ろへ立つと、伸びた髪を無造作に掴んで、引き上げながら椅子を払った。

【文庫→四六判】耳障りな音とともにその躰が床に倒れて呻き声を漏らす。(p180)→耳障りな音と共に影は床へ倒れ、そこで呻き声を漏らす。

【四六判のみ】髪を持ち上げられるがまま、そいつはようやく立ち上がった。(文庫p180の9行目の”呻き声を漏らす。”の直後に入る)
※佐藤は立ち上がらず、沢木が耳元に怒鳴ったのでしょうか。

【文庫→四六判】しゃがみ、その耳元で目つきの虚ろな刑事はさらに怒鳴った。(p180)→その耳元で目つきの虚ろな刑事は更に怒鳴った。

【文庫→四六判】参考人は顔を上げて阿比留を見た。(p180)→彼は阿比留を見た。


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ご覧いただきありがとうございました。

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