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2020年8月24日月曜日

『遠海事件』「第六章」#6 ビデオ店のアリバイ

【ネタバレ】詠坂雄二『遠海事件 佐藤誠はなぜ首を切断したのか?』(光文社文庫)「第六章」検証第6回



今回は「第六章」6回目です。
引き続き阿比留と佐藤の会話で、ビデオ店でのアリバイのことについて話している場面です。


以下ネタバレもありますので作品読了後にご確認ください。


【四六判のみ】…文庫では削除。削除部分が文庫のどこにくるかも記載しています。
【文庫のみ】…文庫書き下ろしです。
【文庫→四六判】…四六判ではこうだった(カッコ内は文庫のベージ数です)。
というように書いていき、必要なところは解説も加えます。重要な部分は太線にしています。


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「第六章」#6



【文庫→四六判】なお阿比留はそうした疑いを捨て切れなかった。(p183)→ここまで来てなお、阿比留はそうした疑いを捨て切れずにいた

【文庫→四六判】どうしてそんな嘘を吐くのかという問いに対する答などなく、(p183)→どうしてそんな嘘を吐くのかという問いへの答などなく、

【文庫→四六判】佐藤は虚空を眺めて深呼吸を繰り返し、そうと呟いた。(p183)→佐藤は虚空を眺め、深呼吸を繰り返した。しばらくし、そうと呟いた。

【文庫→四六判】濁った瞳で阿比留を見て、佐藤誠はええ、ええと頷いた。そうなんですよ阿比留さん。(p184)→濁った瞳を阿比留へ合わせ、佐藤誠はええ、ええと頷いた。そうなんですよ刑事さん

【文庫→四六判】佐藤は両手をデスクに放り出し、手錠の縁を触りながら続けた。(p184)→佐藤は椅子へ座り直す。両手をデスクに放り出し、手錠の縁を触りながら続けた。

【文庫→四六判】少し経ってから―蛎塚専務の通夜の時じゃなかったでしたっけ」(p184)→少し経ってから―確か蛎塚専務の通夜の時じゃなかったでしたっけ」

【文庫→四六判】「そうでしたよ絶対。事件当日にアリバイを聞かれてたら、僕は答えられませんでした。聞かれるまで時間があったんで、用意できたんです」(p184)→「そうでしたよ、絶対に事件当日にアリバイを聞かれてたら、僕は何も答えられませんでした。けど、聞かれるまで時間があったんで、用意出来たんです」

【文庫→四六判】そう言われても判らない。(p185)→それでもまだ判らない。

【文庫→四六判】阿比留は考え、可能性らしきものを掴んで尋ねた。(p185)→阿比留は頭を回転させ、可能性らしきものを掴んで尋ねた。

【文庫→四六判】「いえ。というか、店員には会ったこともありませんよ」(p185)→「いえ。というか、そんな人には会ったこともありませんよ」

【文庫→四六判】会員カード登録を自分が受け付けたと。(p185)→会員カードを自分が受け付けたと。

【文庫→四六判】「してません。免許証で会員カードを作ったなんてことも今初めて知りました」(p185)→「してませんよ。大体、免許証で会員カードを作ったなんてことも、僕は今初めて知りました」


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