【ネタバレ】詠坂雄二『遠海事件 佐藤誠はなぜ首を切断したのか?』(光文社文庫)「第六章」検証第6回
今回は「第六章」6回目です。
引き続き阿比留と佐藤の会話で、ビデオ店でのアリバイのことについて話している場面です。
以下ネタバレもありますので作品読了後にご確認ください。
【四六判のみ】…文庫では削除。削除部分が文庫のどこにくるかも記載しています。
【文庫のみ】…文庫書き下ろしです。
【文庫→四六判】…四六判ではこうだった(カッコ内は文庫のベージ数です)。
というように書いていき、必要なところは解説も加えます。重要な部分は太線にしています。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「第六章」#6
【文庫→四六判】なお阿比留はそうした疑いを捨て切れなかった。(p183)→ここまで来てなお、阿比留はそうした疑いを捨て切れずにいた。
【文庫→四六判】どうしてそんな嘘を吐くのかという問いに対する答などなく、(p183)→どうしてそんな嘘を吐くのかという問いへの答などなく、
【文庫→四六判】佐藤は虚空を眺めて深呼吸を繰り返し、そうと呟いた。(p183)→佐藤は虚空を眺め、深呼吸を繰り返した。しばらくし、そうと呟いた。
【文庫→四六判】濁った瞳で阿比留を見て、佐藤誠はええ、ええと頷いた。そうなんですよ阿比留さん。(p184)→濁った瞳を阿比留へ合わせ、佐藤誠はええ、ええと頷いた。そうなんですよ刑事さん。
【文庫→四六判】佐藤は両手をデスクに放り出し、手錠の縁を触りながら続けた。(p184)→佐藤は椅子へ座り直す。両手をデスクに放り出し、手錠の縁を触りながら続けた。
【文庫→四六判】少し経ってから―蛎塚専務の通夜の時じゃなかったでしたっけ」(p184)→少し経ってから―確か蛎塚専務の通夜の時じゃなかったでしたっけ」
【文庫→四六判】「そうでしたよ絶対。事件当日にアリバイを聞かれてたら、僕は答えられませんでした。聞かれるまで時間があったんで、用意できたんです」(p184)→「そうでしたよ、絶対に。―事件当日にアリバイを聞かれてたら、僕は何も答えられませんでした。けど、聞かれるまで時間があったんで、用意出来たんです」
【文庫→四六判】そう言われても判らない。(p185)→それでもまだ判らない。
【文庫→四六判】阿比留は考え、可能性らしきものを掴んで尋ねた。(p185)→阿比留は頭を回転させ、可能性らしきものを掴んで尋ねた。
【文庫→四六判】「いえ。というか、店員には会ったこともありませんよ」(p185)→「いえ。というか、そんな人には会ったこともありませんよ」
【文庫→四六判】会員カード登録を自分が受け付けたと。(p185)→会員カードを自分が受け付けたと。
【文庫→四六判】「してません。免許証で会員カードを作ったなんてことも今初めて知りました」(p185)→「してませんよ。大体、免許証で会員カードを作ったなんてことも、僕は今初めて知りました」
コメントなどありましたらお気軽にお願いします。
ご覧いただきありがとうございました。
0 件のコメント:
コメントを投稿