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2020年8月14日金曜日

『遠海事件』「第五章」#20 遠海事件捜査の停滞

【ネタバレ】詠坂雄二『遠海事件 佐藤誠はなぜ首を切断したのか?』(光文社文庫)「第五章」検証第20回



今回は「第五章」20回目です。
引き続き阿比留と松代との会話です。ビデオ店での出来事を松代に話し、吾妻との会話は離さず、阿比留は佐藤誠への疑いを放棄し、容疑者から外しました。事件を追う熱も失っています。


以下ネタバレもありますので作品読了後にご確認ください。



【四六判のみ】…文庫では削除。削除部分が文庫のどこにくるかも記載しています。
【文庫のみ】…文庫書き下ろしです。
【文庫→四六判】…四六判ではこうだった(カッコ内は文庫のベージ数です)。
というように書いていき、必要なところは解説も加えます。重要な部分は太線にしています。

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「第五章」#20



【文庫→四六判】阿比留はビデオ店での一件を話した。(p168)→阿比留はビデオ屋での一件を話した。

【文庫→四六判】だがそのために動く気がなくなっていた。(p169)→だが、その為に動く気が冷えていた

【文庫→四六判】上が何を隠そうとしているのかは判らないし、(p169)→具体的に上が何を隠そうとしているのかは判らないし、

【文庫→四六判】殺しの真相を隠蔽しても構わないという思想に捜査が汚されている事実はやる気を殺す。(p169)→殺しの真相を隠蔽しても構わないという思想に事件が汚されているという事実は、やる気を殺す。

【文庫→四六判】自分たちになんの警告もないことだった。(p169)→自分達へ何の警告もないことだった。

【文庫→四六判】現場が熱心に殺人犯を追うぶんには支障もないほどに大きいのだろう。(p169)→現場が熱心に殺人犯を追っている分には支障もない程に大きいのだろう。

【文庫→四六判】だから嘆息に諦めを封じ、(p169)→だから嘆息へ諦めを封じ、

【文庫→四六判】「有田亜衣子のアリバイも固まったと聞きましたよ」(p169)→「有田亜衣子のアリバイも証明されたと聞きましたよ」

【文庫→四六判】「とりあえずは、現場周辺の聞き込みだ」(p170)→取り敢えず、と阿比留は立ち上がった。「現場周辺の聞き込みだ」

【文庫→四六判】捜査陣の中で最も真相に近付いていた阿比留が佐藤への疑いを手放したこの時、捜査の停滞は決定付けられたと言っていいだろう。(p170)→捜査陣の中で最も真相へ近付いていた阿比留が佐藤への疑いを諦めたこの時、遠海事件の停滞は決定付けられたと言っていいだろう。


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ご覧いただきありがとうございました。

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