【ネタバレ】詠坂雄二『遠海事件 佐藤誠はなぜ首を切断したのか?』(光文社文庫)「第六章」検証第5回
今回は「第六章」5回目です。
引き続き阿比留と佐藤の会話で、佐藤誠が遠海事件当日のことを思い出そうとしています。
以下ネタバレもありますので作品読了後にご確認ください。
【四六判のみ】…文庫では削除。削除部分が文庫のどこにくるかも記載しています。
【文庫のみ】…文庫書き下ろしです。
【文庫→四六判】…四六判ではこうだった(カッコ内は文庫のベージ数です)。
というように書いていき、必要なところは解説も加えます。重要な部分は太線にしています。
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「第六章」#5
【文庫→四六判】確かあの時は、なんだったっけ。……ここへ来てからこれで三日……三日ですよね? 僕が来てから」(p182)→確かあの時は、何だったっけ。……ここへ来てからこれで三日くらい、三日ですよね? 僕が来てから」
【文庫→四六判】沢木から戸惑い気味の頷きをもらってから佐藤は続けた。(p182)→沢木から戸惑い気味な頷きを貰って、佐藤は続けた。
【文庫→四六判】ひとつひとつがどうも曖昧で。(p182)→一つ一つの殺しの記憶が、どうも曖昧になっちゃって。
【文庫→四六判】と同時に佐藤の有様も頷けた。(p182)→と同時に、佐藤の有様も頷けてきた。
【四六判のみ】そう思うと久しぶりに―刑事になる以前、警察官に成り立ての頃以来に、目の前の相手を恐ろしいと感じた。―こいつは何かが違う。(文庫p182の13と14行目の間に入る)
※20年以上前の話ですね。1980年代前半くらいでしょうか。
【文庫→四六判】「それなら動機はあとまわしだ。どうやって殺した?」(p182)→「判った。動機は後回しだ。―どうやって殺した?」
【文庫→四六判】昨夜、連絡を受けたあとで、分厚い調書のコピーを熟読してきたのだ。(p183)→昨夜、連絡を受けた後で、分厚い調書のコピーを引っ張り出し、熟読してきたのだ。
【文庫→四六判】「お前には事件時、アリバイがあった。(p183)→「お前には事件時、アリバイがあったんだ。
【文庫→四六判】遠海駅から離れたビデオ店にいたんだと」「ビデオ店―」(p183)→遠海駅から離れたビデオ屋にいたんだと」「ビデオ屋―」
【文庫→四六判】雨の降り出す前の遠海駅周辺で佐藤誠らしき人影を目撃した者が出なかったことも、(p183)→雨の降り出す前の遠海駅周辺で佐藤誠らしき人影を目撃した者が出なかったということも、
【文庫→四六判】やっぱりそうかそう思っていたんだと肩を叩いてやる気にはなれない。(p183)→やっぱりそうかそう思ったんだうんうんと肩を叩いてやる気にはなれない。
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ご覧いただきありがとうございました。
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