【ネタバレ】詠坂雄二『遠海事件 佐藤誠はなぜ首を切断したのか?』(光文社文庫)「第三章」検証第7回
詠坂氏は初出時から書籍化、文庫化される際に手を加えています。
『遠海事件』は、詠坂雄二の代表作というか、主要キャラの佐藤誠が主人公で、他作品へのクロスオーバーが多く、他の作品を読む前に是非呼んでいただきたい一冊になります。
今回は「第三章」7回目、時野が水谷に首切りのパターンの説明をしている場面になります。
以下ネタバレもありますので作品読了後にご確認ください。
【四六判のみ】…文庫では削除。削除部分が文庫のどこにくるかも記載しています。
【文庫のみ】…文庫書き下ろしです。
【文庫→四六判】…四六判ではこうだった(カッコ内は文庫のベージ数です)。
というように書いていき、必要なところは解説も加えます。重要な部分は太線にしています。
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「第三章」#7
【文庫→四六判】確かにミステリは人殺しを扱う話だ。(p86)→確かに、ミステリとは人殺しを扱う話だ。
【文庫→四六判】ある程度の屍体が転がらなければ始まらない。(p86)→ある程度の屍体が転がっていなければ始まらない。
【文庫→四六判】彼はそこでまた店内を見回したが、(p86)→彼はそこで三度店内を見回したが、
【文庫→四六判】「一口に首切りっても理由は色々ある。(p86)→「一口に首切りっても、理由は色々なんだ。
【文庫→四六判】特に首の切断はその本命だから、色々な人が色々な状況で色々な理由を付けて切断を語ってきた歴史があるわけさ」(p86)→特に首の切断はその本命だから。色々な人が色々な状況で色々な理由を付けて首の切断を語ってきた歴史があるわけさ」
【文庫→四六判】そんなものはないほうがいいんだろうと皮肉を足すくらい、(p86)→そんなものはない方がいいんだろうけどと皮肉を足すくらい、
【文庫→四六判】どこを切られていくつに分けられたのか。(p86)→大雑把には、どこを切られていくつに分けられたのか。
【文庫→四六判】切られたパーツは離されていたのかどうか―って具合に。(p86)→そして切られたパーツが離されていたのかどうかって具合にね。
【文庫→四六判】合理的な理由がなきゃいけないんだ。(p87)→そこには理由がなきゃいけないんだ。
【文庫→四六判】ある意味、首と躰が離れた場所にある場合より、ひとつ高度と言えるかもしれない。(p87)→そうした意味で、首と躰が離れた場所にある場合より、一つ高度と言えるかも知れない。
【文庫→四六判】一見して理由が判らない謎のほうが愉しいじゃないか」(p87)→一見して理由の見当が付かない謎の方が愉しいじゃないか」
【文庫→四六判】時野は不安になったが、返された言葉は予想を越えていた。(p87)→途端に不安になるが、返された言葉は予想を越えていた。
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ご覧いただきありがとうございました。
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