【ネタバレ】詠坂雄二『遠海事件 佐藤誠はなぜ首を切断したのか?』(光文社文庫)「第三章」検証第5回
詠坂氏は初出時から書籍化、文庫化される際に手を加えています。
『遠海事件』は、詠坂雄二の代表作というか、主要キャラの佐藤誠が主人公で、他作品へのクロスオーバーが多く、他の作品を読む前に是非呼んでいただきたい一冊になります。
今回は「第三章」5回目、出勤前の時野と新村の会話の後半部分になります。
以下ネタバレもありますので作品読了後にご確認ください。
【四六判のみ】…文庫では削除。削除部分が文庫のどこにくるかも記載しています。
【文庫のみ】…文庫書き下ろしです。
【文庫→四六判】…四六判ではこうだった(カッコ内は文庫のベージ数です)。
というように書いていき、必要なところは解説も加えます。重要な部分は太線にしています。
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「第三章」#5
【文庫→四六判】「マジすか!いつです?」「昼間だ。(p80)→「マジすか!」「昼間な。
【文庫→四六判】犯罪と謎を絡め、理論と幻想の鍋に沈めて煮込む類の嘘が彼は昔から大好きだった。(p81)→犯罪と謎が絡まり、最終的に理論と幻想の鍋へ沈めてことこと煮込む類の嘘が、彼は昔から大好きだった。
【四六判のみ】時給の安さをものともせず書店でバイトをしている理由の大半もそこにあり、(文庫p81の11行目“冗談と本気を半々に”の文に繋がる)
【文庫→四六判】そうした想いを抱えていれば当然、立ち上がってくる問題は事件の不在だ。(p81)→そうした想いを連ねていれば、当然、人生で立ち上がる問題は事件の不在だ。
【文庫→四六判】はしゃがない方がどうかしている。(p81-82)→これでははしゃがない方がどうかしている。
【文庫→四六判】「なにか警察から聞いた新情報とかありませんか」(p82)→「他に、警察から聞いた新情報とかありませんか」
【文庫→四六判】「なんでです」(p82)→「何でですか」
【文庫→四六判】何言ってんだと言う店長代理を見て(p82)→何言ってんだと呟く店長代理を見て、
【文庫→四六判】時野は苦笑いを返すとエプロンを身に付けて店へ出た。(p82)→時野は苦笑いを返すとエプロンを身に付け、そそくさと店へ出た。
【文庫→四六判】退屈と日常の寄せ集めがるばかりだ。(p82)→時野が嫌う、退屈と日常の寄せ集めがあるばかりだ。
【文庫→四六判】だが今日だけは気にならない。(p82)→だが今日だけはそんな変わらなさも気にならない。
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ご覧いただきありがとうございました。
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